昭和10年(1935年)に印刷された鉄道旅行図が22日、河北省唐山市で発見された。同図には日本全国の山、河川、国境、海洋、島しょなどが詳細に描かれているが、「釣魚島」や「尖閣諸島」の標記はいずれもなかった。同省の専門家は、同地図は釣魚島が日本に属さないことを証明する有力な手がかりだ、と示した。「中国新聞社」が伝えた。
記者が実物を見ると、「最新鉄道旅行図」と題された地図はカラー印刷で、すでに黄ばんでおり、表紙・裏表紙が若干破れていたが、各ページの保存状態は非常に良い。地図表紙には「三省堂編集」「最新鉄道旅行図」「東京三省堂発行」、裏表紙には「昭和十年五月廿日印刷」などの文字が印刷されている。
地図は縦26センチ、幅350センチで、折りたたんで装丁され、最初のページには美しい中国語で「中華民国二十八年五月二十一日福岡にて購入 孟飛」と記されており、最初の所有者がこの地図を購入した日付と場所が記録されている。同図の第30ページに沖縄諸島の地図があり、釣魚島からわずか120キロしか離れていない「与那国島」などの地名標記はあるが、「尖閣諸島」あるいは「釣魚島」の地名標記はまったくみられない。
地図を収蔵しているのは、中国石炭採掘大手「開◆(集団)有限責任公司」を退職した楊秀峰さん(62)。楊さんによると、この地図は新中国成立前、同公司の幹部が楊さんの舅に贈り、その後、楊さんの手に渡り、30年ちかく保管されてきた。最近になり両国間で発生した釣魚島問題がきっかけで楊さんは地図のことを思い出し、詳細に調べたが、当時の日本地図には釣魚島の標記がまったくないことに気づいた。
開◆博物館館長で歴史学者の楊磊氏は鑑定を行った後、「この昭和10年印刷の地図上には、日本は本国島しょに対して詳細な標記を示しているが、『尖閣諸島』あるいは『釣魚島』に関する情報・文字説明はまったく見られず、釣魚島が日本の領土に属さず、中国の領土であるという事実を紛れもなく証明しており、日本政府による『島購入』が間違いであることを裏付けている」と示した。
ほかにも今年3月、同市内でさらに一冊の日本地図が発見されたが、同じく「釣魚島」の標記はみられなかった。地図の収蔵者である市内古冶区在住の張山さんは22日、記者に対し、「この1944年に発行された『最新日本交通図』上には、中国東北、華北、台湾などの地区の鉄道・道路などの分布および地理概況が詳細に描かれているが、釣魚島に関する情報はまったく見られない」と語った。(編集HT)
*◆はさんずいに「欒」
「人民網日本語版」2012年9月25日 |