■まず利益ありきの釣魚島購入
石原慎太郎東京都知事は今年4月に米国で釣魚島購入発言をしたのち、まず全国から寄付金を募り、続いて上陸視察を企てるなど立て続けに行動を起こした。「釣魚島購入」実現を固く決意しているようだった。朝日新聞は、石原は新党結成を計画しており、釣魚島購入は選挙に向けた下手な政治パフォーマンスに過ぎないと指摘した。
だがこの時期になって日本政府が突然出現し、東京都を「撃破」して釣魚島購入の主役となったのは、またどういうわけか。野田政権のこの行動も同様に、政治的利益のためだと指摘される。与党であり党分裂を経験した野田首相は、この有効な「愛国カード」を選挙のライバルの手に握らせるわけにはいかないのだ。
また、国家元首である野田首相は釣魚島問題により中国との関係が行き詰まることも望んでいない。日中友好協会常務理事は「現在日本国内には挫折感と閉塞感が蔓延し、民族主義的感情の高まりを招いている」と指摘する。東京都が釣魚島購入に成功すれば、石原は民衆を扇動して外交をさらに麻痺させ、日本政府は受け身にだろうと指摘される。
■独断専行に走った結果の責任は自らが負うことに
日本の釣魚島購入茶番劇のエスカレートに、中国外交部(外務省)報道官は3日「釣魚島とその附属島嶼に対する日本側のいかなる行動も不法で無効であり、中国は断固反対する」と表明した。8月31日には、一貫して日本を支持してきた米国も発言を変更。共同通信によると米政府高官は「全ての状況下」ではなく、「一定の状況が生じた場合に、(日米安保条約の)対日防衛義務が適用される」と述べた。同高官は「『一定の状況』の発生を回避するために、当事国が対話と外交によって紛争を解決することを希望する」とも強調した。
日本政府が独断専行に走った場合、政治、経済両面で急速な関係悪化という結果に直面することになる。日本経済が回復力を欠く中、最大の貿易相手国を怒らせるのは賢明な選択ではないかもしれない。釣魚島購入用の20億5000万円の拠出も、日本経済にとって一定の打撃となる。また、日本の背後のあの確固としていない「同盟国」も、いつ音もなく離れ、日本だけに苦々しい結果を背負わせることになることかわからないのだ。(編集NA)
「人民網日本語版」2012年9月6日 |