中日国交正常化40周年の記念イベントの1つ、「中日人材育成支援無償事業（JDS）十周年記念大会及び同窓会総会」が25日午後、在中国日本国大使館で行われた。中国商務部の兪建華・部長助理、丹羽宇一郎駐中国大使などが出席し、式辞を述べた。人民網が26日に報じた。

兪建華・部長助理は式辞の中で、「数年前には金融危機が起こり、昨年は東日本大震災などの自然災害にも見舞われたが、その間JDSプロジェクトが中断されることはなかった。中国側はこのことに対し、賞賛の意を表す。この10年間、JDSプロジェクトにより320人あまりの卒業生が輩出され、中国の経済社会建設において大きな役割を果たしている。中には指導者になった人もおり、中日友好推進、中国経済建設に向け、大きな貢献を果たしている」、「中日は互いに重要な貿易パートナーであり、両国間の協力分野も数多い。現在、中日韓FTA交渉の準備が進められている。中日韓FTAが形成されれば、3カ国間の貿易がより一層促進され、より多くの人材が必要になるだろう。当プロジェクトはそのような人材の育成に重要な役割を発揮している」と述べた。

丹羽大使は「国と国との関係を築いていく上で重要な役目を果たすのは、国民一人一人だ。人と人との信頼関係が両国関係の基盤となる。JDSの卒業生たちはプロジェクトを通じて日本への理解を深めた。将来指導者となり、中国の未来を背負うこれらの卒業生たちが、日本を深く理解し、日中の架け橋となってくれることを期待する。また彼らが相互信頼を深め、中日間の戦略的互恵関係を築く上で重要な貢献を果たすことを望んでいる」とした。

同イベントでは、JDSプロジェクトの同窓会選挙で次期理事会メンバーが選出されたほか、関係者が同窓会の現在の状況などについて報告した。中国各地から集まった同窓会のメンバーは、グループに分かれて交流を行った。

JDSプロジェクトは、中国政府が日本政府開発援助（ODA）の枠組み内で実施している人材育成奨学金プロジェクトであり、2002年にスタートした。これまでに9回実施されており、50以上の中央機関および30以上の省・自治区・直轄市から選ばれた公務員・国家機関職員計356人が日本に留学した。同プロジェクトは高い成果を上げており、素質の高い中国政府の行政幹部が育成され、中国の公務員の能力建設が強化され、中国の経済社会発展や中日両国の相互交流の促進において、大いにプラス作用をもたらした。（編集SN）

「人民網日本語版」2012年6月27日

丹羽宇一郎駐中国大使

会場の様子

参加者の記念写真