格差
27年前、中米間の農業格差は生産手段の違いによるところが大きかった。27年後の今、格差は生産性によるものが大きいと専門家は分析している。
中国と先進国の農業生産性の間には、いったいどれだけの格差があるのか?中国科学院中国現代化研究センター主任の何伝啓氏は、「米国の農業労働生産性は中国の90倍以上、日本とフランスは中国の100倍以上だ。ブラジルですら中国より高い」と言う。
中国で90人の農民がする仕事を米国では1人の農民でやってしまう。この違いは、中国人1人1人の心に重くのしかかる。
農業の現代化について何伝啓氏は、「世界各国で現代化農業が行われている。農業現代化理論に基づくと、伝統農業から初級現代農業への転換が第1次農業現代化であり、これには農業の市場化、工業化、機械化、化学化が含まれる。初級現代農業から高級現代農業への転換が第2次農業現代化で、主な特徴は農業の知識化、情報化、生態化、多様化、国際化などだ」と語る。中国科学院中国現代化研究センターによれば、2008年の中国の第1次農業現代化指数は76で世界75位、第2次農業現代化指数は35で世界62位、中国の総合農業現代化指数は38で世界65位であった。
何伝啓氏の予測によると、2050年、中国の人口はおよそ15億人、穀物需要はおよそ7億8000万トン、肉食需要はおよそ1億2000万トンになる。2000年~2050年の間に、中国の人口は1億8000万人増え、穀物生産の新規増加需要は3億トン、肉食生産の新規増加需要は5000万トンになると見られる。その一方で、中国人の1人当たり耕地面積、1人当たり穀物栽培面積はいずれも減少しつつある。「国民の生活クオリティ向上による農産品需要をどうやって満たすか。これは中国の農業にとって極めて大きな機会であると同時に挑戦でもある」と何伝啓氏は言う。
トウモロコシを天日干しする湖北省当陽市草埠湖鎮の農民
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