ある市場アナリストの分析によると、中日両国間で人民元と日本円との直接交換が実現すれば、毎年約30億ドルの手続費用が不要になるという。
だが葉氏は次のようにも指摘する。人民元と日本円との自由交換の規模は制限されるべきだ。言い換えれば、人民元と日本円とが交換されるとすれば、日本円は完全な自由交換通貨であるため、人民元の間接的な交換可能性をもたらすとみられる。現在の人民元が国際化する過程において、こうした予想をコントロールすることは難しい。よって今回の交換の過程では、テストケースを採用し、その後で一定のルートを用いて交換を行うとともに、規模をコントロール可能なものにとどめるとみられる。そうすれば安定的で妥当だという。
一方、奚副主任は次のように話す。人民元と日本円との取引規模を制限する必要はない。人民元と日本円との直接交換はこの2つの通貨の自由交換とイコールではない。今回の直接交換は金融機関同士に限られており、個人の取引では行えない。さらに人民元と日本円との直接交換の規模が大きくなればなるほど、レートの安定にとってはより有利になる。また人民元と米ドルとの交換に規模の制限がない以上、日本円との直接交換にも規模の制限を設ける必要はない。
日本メディアの報道によると、三菱東京UFJ銀行をはじめとする日本の三大メガバンク、中国銀行、香港上海銀行などが直接交換業務に参入する予定で、各行はそれぞれ独自に東京・上海両市場でのレートを設定し、そのレートに基づいて企業などの顧客に交換サービスを提供するという。(編集KS)
「人民網日本語版」2012年5月29日
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