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中日国交回復二十五周年に想う

 

いま、世界は第二次大戦後未曾有の大きな変化をとげている。冷戦終結後、世界が多極化へ向かって発展している今日、平和とデベロップメントをめざす新秩序の構築が国際社会に普遍的に要請されている。現在、「アジア·太平洋ないし世界の中日関係」が叫ばれているが、アジアと世界に影響力を持つ中日両国は、国際新秩序の構築に貢献しなければならない。この意味から言えば、中日関係がどのような状態にあるかは、ただ単に双方にもたらす利害損得が以前より大きいというだけでなく、アジアと世界の平和および国際新秩序の構築にきわめて大きな影響を及ぼすことも、また明らかである。中国政府は一貫して日本との友好関係の発展を重視しており、日本政府も中国との友好関係の発展を重視している。「中日友好」というこのビルディングは両国の先駆者がレンガと瓦を一枚一枚積みあげて建てたものである。中日両国人民の世世代代にわたる友好のため、またアジアと世界の平和のため、両国人民は、この容易ならざる中日友好の成果を大事に守り、それが損なわれるようなことがないようにすべきである。

今日、中国は社会主義の現代化建設にはげんでおり、対外的に独立自主の平和外交政策をとっているが、中国のこの国策は絶対不変である。中国は覇権に反対であり、自らも永遠に覇権を追求せず、対外拡張をするようなことはありえない。中国の発展と強大は、アジアと世界平和のための重要なモーメントであり、いかなる国に対しても脅威となることはない。日本もこんご平和発展の道を堅持するよう、われわれは心から望むものである。日本のこれから歩む道を観察する場合、中日両国人民の共通の願いに悖り、アジア各国人民の疑念を引き起こすようなことが起こらないよう、希望するものである。また、新しい情勢下における日米安保条約が中国やアジアの他の国ぐにに向けられたものでないという当事者の言明が、虚偽でなく真実であってほしい。今年の八月十七日、日本内閣の重要メンバーがいわゆる日米両国の「防衛ガイドライン」について触れた時、「台湾海峡」がその中に含まれているという、中国の主権と安全を脅かす発言をしたが、そのことは当然のことながら、中国人民の警戒心を呼び起こしている。

二十一世紀の足音が近づいている今日、中日両国人民はともに、真剣に考えていることが一つある。それは、どのような中日関係を二十一世紀に持ち込むべきか、というきわめて厳粛な問題である。言うまでもなく、長期にわたる、安定した、健全な中日友好関係を二十一世紀に持ち込み、二十一世紀が両国にとって、さらに友好的な世紀であるよう、両国の人民は念願しており、またその実現のために努力をつづけるであろう。そして、そのことがアジアと世界の平和にもつながると思う。長年中日関係の仕事に携わってきたものの一人として、私はそう信じて疑わない。

「北京週報日本語版」1997年No.39

 

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