石原慎太郎東京都知事が先日米国で講演した際に、わが国の釣魚島(日本側は尖閣諸島と呼ぶ)の購入計画を突然宣言したことについて、日本の大手6紙の見解は2つに分かれている。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
大手紙の中では唯一産経新聞が「尖閣諸島を防衛し、実効統治を強化していくうえで有効な提案であり、国を挙げて支持すべきだ」と明確に賛同。読売新聞も「石原氏は国の領土保全のあり方に重要な一石を投じた」と肯定的に評価している。
一方、他の各紙は東京都が前面に出る手法に「筋違い」(毎日新聞、日本経済新聞)、「都民の税金は都民生活の改善に使ってほしい」(東京新聞)と指摘。朝日新聞は「本来東京都の仕事ではない。自治体の長の石原氏に、領土関連の問題を解決する権限はない。政府の外交に悪影響を与えることを承知の上で大風呂敷を広げるのは、無責任としか言いようがない」と辛らつに批判している。
日本経済新聞は「個人の所有は確かに望ましくないが、東京都が保有しても問題の解決にはならない。国が尖閣諸島の主権を守る責任を担うべきだ」と指摘。毎日新聞は「東京都が尖閣諸島を購入して独立外交を展開することは自治体の権限を越える」と石原氏の手法に異議を申し立てた。
要するに、各紙の観点は中国に対する姿勢の違いを示している。
日本経済新聞は「中国と主権争いを抱えていることを世界に広めるのは決して得策ではない」との立場で、朝日新聞、毎日新聞、東京新聞は「無用な摩擦は国益を害する」との考えだ。
一方、産経新聞は尖閣諸島の公有化に加え「有人化」を急ぐべきだとし、漁業中継基地や海底資源調査の研究所の設立、自衛隊の常駐などが主権国家として当然の措置と指摘している。
「人民網日本語版」2012年5月3日 |