東京地方裁判所は26日、民主党の小沢一郎元代表の資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる事件の判決公判を行い、小沢氏に無罪を言い渡した。民主党代表も務める野田佳彦首相は、消費税率引き上げを最優先課題にしているが、小沢氏はこれに断固として反対している。アナリストは、小沢氏が党内での影響力を取り戻し、野田首相に反対すれば、野田政権を苦境に追い込むことになると見ている。
小沢氏に無罪判決が言い渡されると、民主党内には小沢氏の処分解除を求める声が持ち上がった。アナリストは、小沢氏が勢力を取り戻すことは「反小沢派」にとって良いことではなく、「親小沢派」が再び結束すれば、野田政権をさらなる苦境に追い込むことになるとの見解を示した。
まず、小沢氏の復帰を求める声が高まる。民主党の輿石東幹事長は判決後、小沢氏の党員資格停止処分を解除する手続きに入ると表明。鳩山由紀夫前首相は、「小沢氏は政権に不可欠な人材。早く小沢氏にがんばってもらえる状況をつくってもらいたい」と述べた。ここから、「親小沢派」は小沢氏の復帰を望み、調整を進めることがわかる。
次に、民主党内で対立が激化することが予想される。小沢氏が勢力を取り戻せば、党内で消費税率引き上げに反対する声が強まる。消費税率引き上げ関連法案の閣議決定後、「親小沢派」の政務三役4人と党役員30人が辞表に提出し、抗議した。小沢氏は、消費税を引き上げないとする内容を含む2009年衆議院選挙での公約を守ることを主張し、反対派の結束を固め、消費税率引き上げ関連法案の採決を阻止する戦略をとると見られる。
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