中日関係はすでに不惑の年に達したが、依然脆弱極まりない。東京都知事の石原慎太郎は先日、税金を使って釣魚島を個人から買い取ることを公然と主張したうえ、18日にメディアの取材を受けた際には、中国側の反応について「ほとんど宣戦布告のように聞こえる」と述べた。
石原は2010年10月のテレビ番組で、釣魚島購入計画を明かしたことがある。今回石原はこの計画について、すでに釣魚島の「土地所有者」の同意を得ており、都議会の承認を経て年内に契約を締結する考えまで明かした。この行動が中日関係に極めて大きな悪影響をもたらすことに疑いの余地はない。
石原は地方幹部に過ぎず、外交権はない。たとえ中日関係に危機が生じても自身が直接対処する必要はなく、野田内閣に責任を押しつければいい。彼にとってもめ事を引き起こすことは得ばかりで損はないのだ。
石原は購入計画によって国内の民族主義感情に迎合し、その発言は日本のネット上で多くの支持を得ている。また、石原のこの行動は一見、日本の「固有の領土」と国益を守るためのように見えるが、その本質は個人的な思惑が中心だ。石原は選挙に向けて新党立ち上げを計画している。石原は選挙での利益を確保するために、東京都民の税金を費やすことも辞さず、政治パフォーマンスを行っているのだ。
理解できないのは、日本政府が石原を厳しく批判するのではなく、言葉を濁しており、内心は共感しつつそうでない素振りを見せているようにすら映ることだ。野田佳彦首相は18日「政府としてこの件を緊密に注視している。事態の推移を見て相応の措置を取る」と表明。藤村修官房長官は「必要なら、この構想を前へ進めることも十分にあり得る」と述べた。この背後には石原の考えを是認したい考えがあるようだ。
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