コア部分での優勢は失っていない
がけっぷちに立たされている日本企業は少なくないが、先日、ロイターは「日本企業が敗北したと判断するのは時期尚早」と伝えた。
史上最大の地震と津波に見舞われ、チェルノブイリの三倍規模の原発事故に遭った日本。そして、日本産業の国外での最大の拠点であるタイでの大洪水。円高問題もまた追い討ちをかける。CLSAアジアパシフィック証券東京支社のニコラス・スミス・ストラテージマネジャーは「状況が深刻なのは疑いようもないが、ヨーロッパの金融危機よりはましだ」と指摘している。
一部の在来産業、特に医療保険業界の業績は割りと好調である。業界全体の利益は市場の予想を8%あまり上回った。
つまり言えるのは、日本経済が落ち込み続ける事はあり得ないということだ。「遠くない将来、逆境に打ち勝って再起するだろう」と孫氏は指摘する。閣僚中心の経済は確かに事態を硬直化させる原因になるものの、根本的には日本企業の利益を守るというメリットもある。閣僚の後押しによって、日本の産業は大規模な政策を実行し、1000億円あまりの研究資金を投じることも多々ある。世界の最先端を行くロボット産業がその良い例である。また、日本には基盤の固い、コア技術を保持している大型のグローバル企業もあり、20世紀からすでに世界進出を始めている。それらのグローバル企業は国際金融の大財閥やグローバル産業の大手との競争や連携において百戦錬磨を経験してきているのだ。
北京大軍経済観察研究センターの仲大軍主任は、「現在の一部日本企業が直面している問題は、心臓部となるコア技術の喪失ではなく、様々な不可抗力による生産効率の下降である。その上、産業転換の面から見ると、日本が転換しようとしているのは自身が最先端の技術を持っている分野ではない。ハイレベルで最先端の研究は日本国内に止まり、最新の製品開発にしても、重要な部品にしても国内で研究開発を行なっているのだ」と指摘する。
中国価値指数(CCVI)の崔新生首席研究員は、「産業構造の分布をみると、国際市場における日本の立地は合理的である。日本は技術主導の国であり、研究開発に長けている。コストを抑えるため、生産拠点は国外に置き、主に川上産業で優位に立っている。そのため、心臓部となるコア技術は大きな影響を受けることもなく、回復するスピードも遅くはないはずだ」と述べる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年2月14日
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