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野田首相、「ギアチェンジ」で坂道を登れるか?

 

野田佳彦首相

日本の野田佳彦首相は13日、内閣改造に踏み切った。野田政権が半年足らずで内閣改造に踏み切ったのはやむを得ない側面と、空気を一変したいという側面がある。震災再建の加速のほか、党内の政治・人事調整、消費税増税などのハードルを乗り越えることが新内閣の重要課題となる。

昨年9月、震災復興が進まず、政局が混乱して不安を抱える中で控え目な野田氏が民主党党首に選出された。党内の対立を緩和し、民衆の信頼を回復するため、野田氏は就任直後、「安全運転」の旗印を掲げ、内閣の人選では適材適所ではなく、党内勢力のバランスをはかることを優先させた。そのやり方が当時奏効し、野田内閣発足当初の支持率は6割を超えた。

だが「安全運転」は最終目標ではなく、政権運営の一時的手段にすぎなかった。野田内閣の閣僚はすぐに「ぼろ」を出した。鉢呂吉雄経済産業相は就任後わずか10日で原発事故をめぐる失言で辞職。それからまもなく、一川保夫防衛相、山岡賢次国家公安委員長兼消費者担当相も不適切な言動で野党から非難を浴び、昨年12月、野党多数の参院で両氏の問責決議が可決され、野党側は両氏が交代しなければ、今年の通常国会への出席を拒否すると野田氏に詰め寄った。

同時に野田政権が主導する、消費税率引き上げを中心とする財政改革も幕を切った。今月初めに日本政府が採択した社会保障と税一体改革案を基に、現在5%の消費税が2014年4月に8%、15年10月に10%に引き上げられる。日本の現代政治史をみると、消費税引き上げは政権の「鬼門」ともいえる。消費税を導入した竹下登政権にしても、消費税を5%に引き上げた橋本龍太郎政権にしても税率改革実現後の参院選で敗れている。

野田氏は新年を迎え、どんな代償を払っても消費税を含む税制改革をやり遂げるとの大願を表明した。しかし現実には「安全運転」のスローガンの下、「野田号」はいつの間にか政治と人事の泥沼にはまり、「増税」というハードルを乗り越えるどころか、いつ泥沼の中で消えるともわからない状況にある。こうした兆候はすでにあらわれている。昨年末、民主党の議員10人が消費税率引き上げに反対して離党、最近の世論調査では野田政権の支持率は政権誕生当時の半分を割っている。

今回の内閣改造では、17人の閣僚のうち5人が交代した。改造は中程度のものだが、内容は現実的なものになっており、野田氏が「安全運転」から「坂道運転」にギアチェンジしたことを示している。まず、防衛相と消費者行政担当相の交代は「マイナス要因を減らす」ことができる。野党の批判を封じるだけでなく、実質的な「交代」と内閣改造を同時に進めることによって、両氏と野田氏自身の面子を保つこともできる。次に、岡田克也前幹事長の副首相兼社会保障・税一体改革相としての入閣は、「燃料補給」するためのものだ。日本の政界では、岡田氏は「原理主義者」と呼ばれており、目標が決まれば、絶対に後退も妥協もしない。この姿勢は消費税増税問題における野田氏の立場と一致する。

「マイナス要因」を減らし、「燃料も補給」したが、改造を行った「野田号」が「坂道運転」に順調にギアチェンジできるかどうかは、政策と民意の間の大きな溝を埋めることができるか否かにかかっている。この溝を埋めることができなければ、内閣を改造したとしても安定した「運転」はできない。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年1月16日

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