野田首相の訪中は9月の就任以来初。訪中日程はさまざまな原因により数回調整された。中日両政府ともに来年の国交正常化40周年を契機に、昨年の船舶衝突事件以来冷え込んだ両国関係を改善することを望んでいる。
■東中国海問題、朝鮮核問題に言及か
専門家は東中国海ガス田の共同開発のための条約締結交渉の再開、朝鮮核問題、海上危機管理メカニズムの構築、日本産食品の輸出規制の緩和なども議題として取り上げられると見ている。
東中国海ガス田問題をめぐる交渉は停滞している。日本側は中国側に資源を「独り占めされる」ことを懸念し、「共同開発」に向けた交渉の早期再開を繰り返し求めている。朝鮮核問題は地域の安全保障に影響を与える重要な課題であり、北東アジアの大国である中日が意見交換するのは当然だ。中国側は6カ国協議を早期に再開し、話し合いを通じて問題の解決を促すことを主に望んでいる。一方日本側は米韓との共同歩調を重視しているうえ、より大きな関心は日本人拉致問題にある。
昨年の中日船舶衝突事件によって両国関係は急変し、小泉政権時代と比べ得るほど冷え込んだ。双方共に、同様の事件が再発して両国関係が大きく損なわれることのないよう、海上危機管理メカニズムを構築し、緊急時のハイレベルおよび事務レベルの協議チャンネルを確保することの必要性を認識している。
3月11日の東日本大震災後に起きた福島第1原発事故によって、大量の核物質が外部に漏れた。中国政府は国民の安全を確保するため、日本の一部地域の食品に輸入規制を敷いた。野田首相は訪中時に、この規制の緩和を求める可能性が非常に高い。
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