広東省質量技術監督局は10日、技術をめぐる貿易に適用される措置についての業務座談会を開催した。それによると、ここ数年、中国が遭遇した貿易の技術障壁(TBT)による直接の損失は年平均15%のペースで増加しており、昨年の損失は582億ドルに上ったという。「広州日報」が伝えた。
▽ASEANの一部国家も障壁を増加
同局の張燕飛副局長の指摘によると、経済グローバル化の進展に伴い、国際的な貿易往来がますます頻繁になると同時に、貿易摩擦も急増しており、TBTの設置を中心とした貿易保護の傾向がますます深刻化している。ここ数年、TBTによる直接の損失は年15%のペースで増加している。
広東省は全国の輸出の約3分の1を占め、TBTの影響が最も大きい省でもある。2008年の損失は241億4900万ドルに達し、全国の約半分を占めた。
広東省WTO/TBT通報コンサルティング研究センターの陳権主任によると、インドネシア、ベトナム、フィリピンなどの東南アジア諸国連合(ASEAN)国家も貿易障壁を増加させる傾向にある。こうした国々はこれまでは関税や割り当て制限などの措置を取り、ASEAN自由貿易圏の建設に伴って、現在は技術関連措置についての通報が増加の一途をたどっているという。
▽包装やラベルにまで要求する貿易パートナー
陳副主任は「現在のTBTの技術的要求はこれまでにも増して複雑で過酷なものになっている」とした上で次のように述べた。最近では中国の三大貿易パートナーである欧州連合(EU)、米国、日本の技術貿易をめぐる措置は、製品自体の性能、品質、安全性を対象にしたものから、生産、包装、表示ラベル、加工、輸送といった全過程を対象にしたものへと拡大しており、技術的な要求は一層複雑かつ過酷なものとなっている。たとえば日本に輸出される食品については、農薬・獣薬の残留量の基準、食品中の細菌の指標、食品中の重金属などの有害物質の基準などがあり、中国企業に対する制限作用は最も顕著だ。対日輸出されるコメは579項目の検査を受けなければならず、これほど多くの検査そのものが、すでに一種の貿易障壁になっているという。(編集KS)
「人民網日本語版」2011年12月12日
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