このような急激な成長と共に、中国の一般市民の生活も劇的に変化した。かつて中国では夢のまた夢と考えられていた20万元(約240万円)ほどするドイツの大手自動車メーカー・フォルクスワーゲンの「ジェッタ」や「サンタナ」、フランスの自動車メーカー・シトロエンの「ＺＸ」などが、今では最も庶民的な乗用車となっている。また外資系銀行が多様化されたサービスを提供するようになったのに伴い、銀行は貯金をするために行くものというかつての概念は打ち砕かれ、かつては冷やかな対応だった銀行員が、スマイルで財テク商品を紹介するようになった。一方、各国の電気製品取扱企業が中国に進出し、中国の電器企業の発展が刺激されるようになっただけでなく、価格戦争に火が付き、かつては高価とされていたテレビやパソコン、エアコンなどのハイテク商品のモデル・チェンジに拍車がかかった。

世界の企業は現在、中国人がどんなものを好むかに最も関心があり、最も大きな研究・開発センターを中国国内に設置。多くの企業にとって中国市場は最も良い財務報告を出す市場になっている。例えば、フォルクス・ワーゲンと上海汽車の合弁会社「大衆汽車」は昨年、1台あたりの平均販売利益が平均968ユーロ(約10万2千円)と、他の地域の平均販売値よりも50％以上も高いことを初めて明らかにした。また、米国の自動車大手「ゼネラルモーターズ」(GM)の中国における貢献利益率は50％以上に達している。このように中国は各企業の世界における利益において最大の貢献者となっており、国際金融危機が深刻だった2008、2009年でさえ、中国に進出している米国企業70％以上が黒字を算出した。

中国がWTOに加盟した当時の中国首席交渉代表、貿易部（現商務部）副部長、龍永図氏は「加盟後の10年の間に、自動車などの産業が得た勝利は市場の力の勝利であり、消費者の勝利でもある。そして日ごとに豊かになっていく中国人すべての勝利！」と声高らかに絶賛。少し立ち止まって見渡してみると、勝利の産物に囲まれていることに気が付くだろう。（編集KN）

「人民網日本語版」2011年12月5日