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評論  
「遠交近攻」主張の野田内閣、中国に対しては利益優先

 

■中国に対しては利益を最優先

では野田首相はなぜこの天下の大勢に反してまで、ホワイトハウスのTPPを支持するのか?既出の日本メディアが分析するように、理由は1点に尽きる。つまり中国を牽制するという安保・戦略構想によるものだ。この点は野田首相もすでにほのめかしているが、いちばん明確に述べているのは、やはり長島昭久首相補佐官だ。TPP参加の意義について、先日ダライ・ラマ(14世)と会談した、イデオロギーの強烈なこの元防衛大臣政務官は「アジア太平洋の秩序は日米が構築すべきであり、この視点から考える必要がある」と少しもはばからず表明した。

長島昭久とはいかなる人物か?昨年9月の船舶衝突事件後、民主党議員43人を率いて菅首相に連名で「建白書」を提出したのが彼だ。船長の釈放を戦前の「三国干渉に匹敵する国難」に喩えた、急進的若手議員のリーダーだ。「建白書」は南西方面の防衛強化を求め、臥薪嘗胆、遠交近攻戦略をとることも主張している。

遠交近攻を主張する急進派の首相補佐官任命が、野田内閣の近隣政策の基本的思考をいくらか反映しているとするなら、すでに不安定な中日関係に今後さらに不安定要因が増えることは言うまでもない。

枝野幸男経済産業相、小宮山洋子厚生労働相、および野田首相訪中の地ならしをした玄葉光一郎外相らの最近の中国高官とのやりとりを見ると、現在日本政府は中国政府に、福島原発事故後に設けられた日本産食品輸入制限の緩和を重点的に求めている。日本メディアによると、東中国海ガス田の共同開発交渉の早期再開も差し迫って求めている。

言い換えれば、現在日本政府の対中外交の焦点は経済的利益にあり、「政経分離」戦略に傾いている。

こうした分析が間違っていなければ、利益を最優先し、今月中旬に訪中する野田首相が期待した成果を上げ、来年の中日国交正常化40周年記念のために良好な雰囲気を醸成し、「戦略的互恵関係」の曲を高らかに奏でられるかどうかは疑問だ。

「人民網日本語版」2011年12月4日

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