特殊な紙を折りたたんで添え木にし、骨折部位を固定する治療法、金銀の鍼を使った蒙古族の治療法、放血療法の前にチベット生薬を飲むチベット族の伝統医学--。
中華中医薬学会、広東省中医院はこのほど、第3回全国中医薬特色技術実演会「杏林尋宝」を共同主催し、国家無形文化遺産保護リスト入りを果たした治療法を含む特色療法の数々がお目見えした。広州日報が伝えた。
広東省中医院の陳達燦院長によると、同大会の開催は今年で3年目となり、中国医学の特色あふれる治療法の資料100種類以上が寄せられたほか、36種類の特色療法の実演が行われた。
中でも観客の注目を集めたのは、今回が初披露となった「宮廷正骨」だ。これは清の時代に編み出された打撲傷の治療法を基礎としており、現在では中国医学骨傷科の一派をなしている。この治療法は宮廷に源を発し、皇族や大臣の骨の治療として用いられていたため、「軽い・柔らかい」などの特徴を持ち、体の弱いお年寄りでも問題ないという。
一般的に、骨折部位の固定には竹の板や石膏が用いられるが、「宮廷正骨」では「元書紙」と呼ぶ特殊な紙を使って固定する。元書紙は軽くて柔らかい黄色い紙で、弾性と靱性を備えており、骨折の部位や種類、怪我をした筋肉の張力などに基づき、この紙を数十層に折りたたんで長い棒状にし、添え木代わりにする。元書紙による固定法は筋肉の正常な収縮を助けるだけでなく、隙間があるため血液の循環も保証できるという。(編集SN)
「人民網日本語版」2011年11月28日 |