1970-80年代、日本企業は海外投資で困難に直面したが、海外からの敵視と警戒を徐々に解消し、最終的にグローバル海外投資の主導的地位を占めることに成功し、確固たる資源・市場面の基礎を築いた。
2010年現在、中国が海外で設立した企業数は1万6000社に達し、世界178の国と地域に渡っている。しかし中国企業の海外進出は順調でない。
中国企業はいかにして順調に海外進出を実現すべきか。この点について、日本企業の経験を参考にできる。
1、政府による介入をやめる。米国もオーストラリアも、日本企業の投資を評価する際に、次の点を高く評価する。日本企業の海外投資は私営企業の投資、つまり商業的な投資である。一方、中国企業の買収は海外において、世界中で資源を争奪している印象を与えている。
2、控えめな行動。投資戦略において、日本企業は往々にして業界最大の企業への投資は行わず、その競合他社や規模の劣る中小企業を対象とする。投資の際も親会社となることを目指さず、5-10%の株式を取得する。中国企業は往々にして、業界最大の企業や主要企業を買収しようとする。
3、イメージの改善。日本企業はシンクタンクやメディアにより、企業イメージを形成する。シンクタンク、記者、政府元官僚といった3者の協力により、現地政府の日本企業投資に対する主流意見を形成するのだ。日本企業は研究機構に対して支援を提供し、教育面においては長期的な公益活動等を提供する。これらは1つの課題を解決するのみで実現できるわけではなく、企業の認識と考え方の変化が必要である。中国企業はこれまで、この点をないがしろにしてきた。
4、現地社会との調和。日本企業は投資先の現地社会に溶け込もうとする。これにより、日本製品のために販売ルートを切り開くだけだという、現地の懸念を取り除くのだ。世界各地で、多くの日本企業が現地コミュニティーの建設に貢献している。野球チームのリーグ戦や小児がん研究センターに到るまで、日本企業はさまざまな地方機構に対して巨額の募金を行っている。一方で中国企業は、社会的責任をないがしろにする場合が多い。
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