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評論  
中日の相互信頼を妨げる病巣を除去する

 

第5期「新中日友好21世紀委員会」の第3回会合で中国側座長の唐家セン氏は「未来志向の中日関係を構築するには、政治的相互信頼の強化と国民感情の疎通という2つの大きな取り組みを重点的に推進する必要がある」と提言した。これを受けて私は日本側委員の阿南惟茂元駐中大使との議論で、中日間の厄介な問題について、トウ小平氏が次の世代に解決を委ねればいいと述べたことに言及した。(文:葉小文・新中日友好21世紀委員会中国側委員。「人民日報海外版」コラム「望海楼」掲載)

阿南氏は「現在のわれわれが、次の世代だ」と応じた。その通りだ。中日友好関係の先代の開拓者の後継者であるわれわれには、より多くの知恵があるはずだ。阿南氏が述べたように、価値観の相違を乗り越えたからこそ、当時の中日は友好を実現できた。まさに価値観が異なるからこそ、小異を残して大同につき、友好的につきあう必要があるのだ。1980年代に中日が友好関係を築いたのはこのためだ。その後、中国で商品経済が発展し、表面的には両国の価値観は近づいたが、厄介な問題は逆に増加した。

問題が生じた原因は複雑だが、中国の急速な発展に周囲の一部の人々が不安を抱いたことは確かで、「中国脅威論」も出現した。現在の両国の政治・安全保障上の相互信頼を妨げている病巣はここにあるのかもしれない。

だが13億人の人口を抱える中国はどうしても発展しなければならない。経済発展は、必要な国防力の発展も当然ともなう。これにはインドやタイも保有する空母への取り組みも含まれる。鍵となるのは、中日双方が相手国をどう受け止めるかだ。相手国の変化を客観的・建設的に受け止められなければ、政治・安全保障上の相互信頼など程遠い。

先に発展した国(日本を含む)、または急速に発展している国(中国を含む)は、2つの点に注意すべきだ。第1に、自国の価値観やモデルを他国に押しつけないこと。例えば現在中国の選択した道が成功を収めている以上、そのビジョンについても見守ってみてはどうか。第2に、後発国の発展・進歩を歓迎し、励ますことに慣れること。とりわけ両国の有識者や政府高官には、この2点によって国民の意識や感情を誘導する責任がある。

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