彭真全国人民代表大会常務委員会委員長は十一月十二日、人民大会堂で行われた孫文生誕百二十周年記念大会で次のように述べた―「孫文の革命と建設についての輝かしい思想、主張はわれわれに残された貴い精神的富であり、全民族の継続前進を励ます力となっている」。
この記念大会には、党と国家の指導者胡耀邦、鄧穎超氏らおよび民主諸党派の指導者、無党派人士、人民団体の指導者、孫文の家族ならびに最近行われた孫文研究国際学術シンポジウム参加者、首都各界の一万近くの人びとが出席した。
彭真委員長は、孫文の中華民族に対する貢献と共産党に導かれて中国人民が歩んだ長く曲がりくねった道程を回顧し、次のように述べた。
「孫文は偉大な民族英雄、愛国主義者であり、民主主義革命の偉大な先駆者でもあった。彼は国家の独立と民族の解放のために不とう不屈に戦ってその生涯をささげた。その革命功績は中国の歴史における新たな時代を切り開いた」
「孫文の偉大さは、辛亥革命を指導したのみならず、歴史の流れにしたがって前進をつづけ、時代の先頭に立つことに努めたことにあった」
彭真氏は前二回の国共合作のおさめた成果を回顧し、第三次国共合作の実現を促してこう述べた。
「一回目の国共合作以来の歴史が証明しているように、国共両党の合作は民族の進歩に役立つばかりでなく、国家の富強、両党の発展にも有利である」
「孫文は国家の統一維持を一貫して主張した。孫文生誕百二十周年にあたり、中国人の一人ひとりがその教えを温め、深く考えないわけにはいかない」
「残念ながら現在、台湾と祖国大陸は依然として分裂状態にある。こうした不幸な局面に早期に終止符を打たせ、祖国の統一を実現させることは、歴史が中華民族のいまの世代に課した光栄ある使命である」
「鄧小平氏が一九八二年九月に打ち出した『一つの国家、二つの制度』という構想は戦略的な意義を持っている。海峡両岸の社会、経済制度、生活様式を変えない状況で、『一国二制度』を実現できれば、長期的に別れ別れになった同胞が団らんできるし、九百六十万平方キロの豊かな資源も十分に利用することができる。十億にのぼる中国人の知恵と才能はもっと発揮することができよう」
「いまこそ国民党が実際行動をとる必要がある時期にきている。台湾当局は多くの面で多くのことをすることができる。たとえば郵便物交換、通商、航路開設の問題は決心さえあればすぐ解決できる」
「当面、肝心なのはまず国共両党が対等な交渉を行うことである。台湾側が代表的な人を派遣して適当と思った場所で私たちと接触するならば、双方がともに関心を持つさまざまな問題について意見を交換することができる」(全文は一七ページに掲載)
記念大会で屈武中国国民党革命委員会中央主席代理、有名な歴史学者の周谷城氏、民主諸党派と無党派代表、宗教界代表のパンチェン·オルドニ、台湾同胞の代表林麗韞女史、孫文の孫である孫穂英女史、日本の宮崎蕗苳女史があいさつに立った。
十一月十一日、文化部は孫文生誕百二十周年展覧会の開幕式を行った。この展覧会は中国革命博物館、中国国民党革命委員会中央委員会が共催したものである。また十一月十二日午後、北京中山公園で孫文銅像の除幕式が行われた。
「北京週報日本語版」1986年No.46 |