天地を揺がす大革命
一九一一年、中国で天地を揺がす大革命が起こった。これはブルジョア階級の指導する民主主義革命であった。
辛亥革命は、湖南、湖北、広東、四川など四省の省民による一九一一年夏の鉄道を守る運動が導火線となった。この鉄道を守る運動とは、清王朝政府が鉄道国有化を口実に、鉄道の運営権を帝国主義に売り渡すことに反対する闘争であった。西南部の四川省では、これを「保路運動」といった。四川省での闘争は非常に激烈で、九月のはじめ頃には全人民的規模の武装蜂起に発展した。
十月十日の武昌蜂起は、四省のこうした運動、とりわけ四川省の「保路運動」を導火線とするものであった。蜂起軍民は三日間で武漢三鎮(湖北省の武昌、漢口、漢陽)を制圧し、その後、他の省も呼応して決起し、十一月下旬には全国二十四の省のうち、十四省が独立を宣した。清軍の巻き返しを撃退するため、湖北省の革命的軍民と湖南省から馳せ参じた援軍は壮絶な武漢防衛戦を展開した。十二月二日、江蘇省、浙江省が独立後に編成した革命連合軍は、激戦を重ねて南京に攻め入った。独立を宣した各省は南京で中華民国臨時政府を発足させ、孫文が臨時大総統に選ばれた。かくして清王朝政府と中国の封建帝政は葬り去られた。