八〇年前の十月九日、湖北省の省都武昌の革命党人は清朝打倒の武装蜂起を準備しつつあった。その日の午後、漢口のロシア租界に設けられた辛亥蜂起準備活動に責任をもつ政治機関は、弾丸を試作して火薬の爆発を引き起こし、ロシア警察機関に摘発された。革命党が蜂起するというニュースはすぐに清朝政府の湖北当局に伝わった。午後十時、一群の軍事警官が直接、武昌小朝街八十五号の武装蜂起総指揮部を襲って、夜十二時の蜂起を計画していた主な関係者が逮捕された。十月十日の夜明け、武昌革命党の中心だった三人が斬殺された。武漢三鎮は一挙に白色テロに包まれた。当時、全国の革命闘争をリードしていた中国同盟会の主要責任者孫文、黄興らは、武昌の情勢をあまり把握していなかったし、湖北にもいなかった。一方、武昌新軍（清朝政府の編成後まもない新式軍隊）に潜んでいた革命党は行動に決起した。同日夜の七時に、反清朝政府武装蜂起の銃声が武昌にとどろいた。一夜の激しい戦いを通じて湖広総督の役所が攻略された。省都武昌は革命党に占領され、湖広総督瑞徴は逃走した。十月十一日、武昌革命党人は中華民国湖北軍政府の樹立を発表した。