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外文局外国人専門家の被災地レポート  
心のケアを最重視

 

今回、北川県、德陽市、綿竹市漢旺鎮など各地の地震遺跡を見て、家族、知人友人を失いながらも、生き延びた人々は心の問題にどのように向き合っているのだろうか、また、公的機関の対策はどうだろうかという疑問が頭をもたげた。新興鎮寿陽泉の再建された農村に住む主婦・趙梅梅さん(61)は「地震が来たのは農作業の合間の昼寝の時でした。生まれて初めてのことで何が起きたかさっぱり分かりませんでしたが、外に飛び出しました」と、当時を振り返り、「今でも、たまにですが、地震だ、と夜中に目が覚めることがありますよ」と、語ってくれた。新しい住宅に大いに満足しているという趙さんの表情は明るかったが、軽度のトラウマ(精神的外傷)が残っていることは間違いないようだ。

ヤギの彫刻が廃墟を見守っている(写真・王衆一)

「地震後、心のケアを最も重視してきましたよ」と、郭山鷹・汶川県党委員会宣伝部副部長は同県被災民の心理的な側面の立ち直りを支援してきたことを強調し、「震災後3年の間に、そうした理由で自殺に追い込まれた人は県内に一人もいません」と、胸を張った。

また、北川県チャン族自治県心理衛生センターの康力氏は震災後の心理的な健康障害について次のように説明してくれた。①ストレス②不眠③自律神経失調④抑うつが代表的な症状で、年齢、家庭環境などさまざまな条件によって軽重の差があり、「きわめて個人差が大きいため、心理学専門家、医師、政府機関の職員がチームを組んで定期的に観察を続けなければなりません」と、説明してくれた。

阪神・淡路大震災後、仮設住宅生活が長期化するにつれ、被災民の心理的な負担軽減が大きな社会問題になった。東日本大震災はさらに原子力発電所事故の不安が加わり、被災民に心理的な重圧を与えている。今後、復興が本格化するにつれ、個人差がきわめて大きい心理的なダメージをどのように軽減していくか。モノの建て直しとは違い、壊れやすいココロの復興は政策的にも重視されなければならず、地域社会の互助精神も不可欠だろう。

そうした意味で、四川汶川大地震の被災地は都市化が緒についたばかりの地域で、農村地域の濃い人間関係が役立っているようだ。中日両国の事情に詳しい北京在住のある中国人精神科医は「都市化が進めば進むほど人間関係が希薄になります。四川地震後の心理的なケアが順調といえるのは被災地が農村地域だったからだと言えるでしょう。しかし、今後、北京、上海といった大都会で大自然災害が発生しないとは限りません。四川地震後の被災民の心理面のトレースは貴重です」と、語っていた。

心理的な復元を助けるのは、衣食住の充足、特に住宅の整備と雇用機会の創出が重要で、復興事業の中で住宅建設に力点を置いたのは道理にかなっている。さらに震災によって離農せざるを得なかった人々に対する、新しい仕事づくりも欠かせない。その意味で、国際住環境フォーラムが汶川県水磨鎮に「ベスト災害後復興賞」を贈ったのは大きな意味があろう。農工業主体だった産業構造を観光事業主体に切り替え、被災民に新たな生きがいを提供しようという試みであり、東日本大震災後の東北地方復興の参考例として注目される。

「人民中国」2011年6月

 

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