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評論  
日本には中国が学ぶべきことがまだまだある

 

いま中国では、日本に関する研究が盛んになっている。研究テーマは「日本はどうして没落したか」。要するに反面教師の材料とするためだ。

私は北京の日系企業で働いている。過去2年間で150人程度の中国人を面接してきたが、優秀な人材に出会うことはまれだった。私たちの会社では直接人材を募集するのではなく、ヘッドハンティング会社を通じて人材を探す。だから私は、担当者に何度も文句を言ったものだ。しかし彼らはため息をつきながらこう言うのだ。「近藤さんが欲しいような人材は、みな欧米企業か中国の大手国有企業に流れてしまいますよ」。

私の学生時代、つまり1980年代には、中国で最も優秀な若者はみな留学生として日本に行き、日本の大学で勉強していたものだった。その頃の中国留学生たちは日本に対して大いなる憧れを抱き、「いつか祖国を日本のように繁栄した国家にしたい」という強い使命感を誰もが持ったものだった。

そして現在、まさに隔世の感がある。SMAPの北京コンサートが開催される直前、母校である東京大学北京代表所の宮内雄史所長と「2011年の日本にまだ残されているのは何か」ということについて深く話し合う機会に偶然めぐまれた。宮内所長によれば、中国人に日本を宣伝するため、東京大学では最近12つの図表を制作したという。具体的なものをいくつか、以下に挙げてみる。

1.日本の消費者物価指数(CPI):1973年の23.2%から2010年には-1.0%に減少。物価が非常に安定している。

2.日本の公害、食中毒、医療事故:日本は32年連続して同様の事故を再発していない。

3.日本のトイレの水洗化率:2010年の水洗化率は91.6%まで上昇。日本ではほぼ全ての家庭で水洗化されている。

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