長崎市・福建会館には「中国の国父」孫文の銅像が建立されている。杖をついて直立するその姿は、まるで中国の方を眺めているようだ。
日本ではこのように、いたるところで漢字や中国文化の名残を目にすることができる。これは、日本が本来、中国と文化的に近しい国なのだということを物語っているが、両国民の感情は急激な悪化の一途をたどるばかりだ。最新の世論調査によると、中国に対してマイナス感情を抱いている日本人の割合は80%近くに達した。この背景には、中国が経済危機にも負けず高成長を維持した一方で、日本は「第2の敗戦」に例えられるほどの災難に直面しているという現状がある。長引く不況に加え、今年は大地震、津波、原発事故と度重なる打撃を受けた日本。「5年間で6人の首相」という言葉も、混乱した日本政治の代名詞と言える。ところが思いがけないことに、記者が日本で取材したところ、日本人たちは自国に対して自信にあふれていた。彼らは安定した日本社会を誇らしく思う一方、中国の様々な社会問題をはっきりと指摘した。また、中国に好意的な日本人も「中国が強大化した後はどうなるのだろう」と不安を抱えていることがわかった。
中国人が大国へと台頭しつつあることを受け入れ、日本人の中国に対する見方を穏やかに受け止めるようになれば、いろいろなことを悟り、理解できるようになるかもしれない。
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