二、中国の平和的発展の全体的な目標
中国の平和的発展のたゆまぬ追求は、国内に対して発展を求め、調和を求めることであり、国外に対しては協力を求め、平和を求めることである。具体的に言えば、中国人民の刻苦奮闘と改革革新によって、また世界諸国と長期的な友好交流、平等互恵と協力によって、中国人民によりよい生活をさせ、また全人類が進歩し発展するために貢献する。これはすでに中国の国家意志にまで高められ、国家発展計画と重要な政策・方針に転化され、中国の発展過程の中で幅広く実践されている。
国の現代化と人民の共同富裕を実現することは中国の平和的発展の全体的な目標である。20世紀70年代末に改革開放を実行した後、中国は「三歩走」(3段階の発展戦略)という現代化の発展戦略を制定し実施した。第一歩は、国民総生産(GNP)が1980年と比べ倍増することを実現し、人民の衣食住問題を解決する。第二歩は、20世紀末までにGNPをさらに倍増させ、人民の生活を小康社会(ややゆとりのある社会)に達成させる。この二段階の目標はすでに実現した。第三歩は、21世紀中ごろ、中華人民共和国成立100年の時に1人当たりのGNPを中程度の先進国並みのレベルに達成させ、人民の生活を豊かにし、現代化を基本的に実現し、富強、民主、文明と調和のとれた社会主義現代化の国に建設する。「三歩走」という目標の核心的な任務は次の通り。人びとの物質・文化・生活のレベルを高め、国民の富裕と強国をともに実現する。同時に、総合的国力の絶え間ない増強につれ、相応の国際的責任と義務を履行する。
十数億の人口に恩恵を及ぼし、レベルがかなり高い小康社会を全面的に建設することは中国の平和的発展の中長期目標である。2020年までに、中国は十数億の人口が恩恵を受けられる、レベルがかなり高い小康社会を全面的に建設し、それにより中国は工業化が基本的に達成され、総合的国力が著しく強化され、国内市場全体の規模が世界の前列にランクされる国となり、人びとの富裕の度合いがあまねく高められ、生活の質が明らかに改善され、生態環境がかなりよい国となり、人びとがより十分な民主権利、より高い文明の質と精神面での目標をもった国にし、また各方面の制度がもっと完備され、社会が活力に満ち、かつ安定・団結した国となり、対外的により開放され、親和力がより備わり、人類文明にかなり大きな貢献をする国にする。
「十二・五」計画(第12次五ヵ年計画)を実現することは中国の平和的発展の近中期目標である。小康社会を全面的に建設する目標に導かれ、『中華人民共和国国民経済・社会発展第12次五ヵ年計画要綱』は「十二・五」の期間(2011~2015年)においての中国経済・社会発展の指導思想、全体的な構想、目標・任務と重要な措置を確立した。これからの5年間、中国の経済・社会発展は科学的発展をテーマとし、経済発展パターン転換の加速を大筋とすることを堅持し、主な目標は次の通りである。経済が着実に比較的速く発展し、経済構造の戦略的な調整が大きく進展をとげ、科学技術・教育のレベルが著しく高められ、資源の節約と環境保全の効果が顕著であり、人びとの生活が引き続き向上し、社会建設が明らかに強化され、改革開放が絶え間なく深化する。全国人民の共同の努力と奮闘を経て、経済発展パターンの転換で実質的な進展を達成し、総合的国力、国際競争力、リスク予防能力を著しく向上させ、小康社会の全面的建設の基礎をより強固にする。同時に、中国は国際交流と協力を積極的に展開し、各方面の利益の接点を拡大し深化させ、各国との共同発展を促進する。
衣食がやっと満ち足りた状態から小康へ、また中程度の先進国レベルの発達レベルまで、人びとの生活をより豊かにさせる、これは中国の平和的発展の戦略的意図を集中的に体現するものである。以上の目標を達成するために、中国は次の面に努めることを決めた。
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