――平和的発展は世界の流れに順応する選択
平和と発展は当面の時代の2つのテーマであり、平和、発展、協力は阻むことのできない世界の流れとなっている。現在、世界の多極化、経済のグローバル化が進み、国際体系の変革的要求が突出し、国際社会はより多くの新しい歴史的課題に直面している。発展のチャンスをともによく活かし、さまざまなリスクにともに対応することは、各国国民の念願となっている。
経済のグローバル化は国際関係に影響を与える重要なすう勢となっている。異なる制度、異なるタイプ、異なる発展段階の国が互いに依存しあい、利益の接点を深め、「相手の中に自己をみつけ、自己の中に相手をみつける」という運命共同体をつくっている。人類は二度と世界大戦には耐えられず、大国の全面的衝突や対抗は双方の損害を招くだけということになる。
グローバルな挑戦は世界の主な脅威となっている。人類の共同の安全保障の問題はますます顕在化し、テロリズム、大量破壊兵器の拡散、金融危機、ひどい自然災害、気候変動、エネルギー・資源の安全、食糧安全、公共衛生の安全など人類の生存と経済社会の持続可能な発展にかかわるグローバルな問題が次第に増えている。いかなる国もこれらの問題を単独で解決できず、国際社会は力を合わせて対応しなければならない。全面的かつ持続的な国際協力によってさまざまなマイナス要素を抑制できなければ、世界の平和と発展の大きな障害となり、ひいては世界がより大きな災禍を被ることになる。
世界の多極化の発展プロセスは阻むことができない。新興市場国、区域グループ、アジアなどの地域の力がたえず発展をとげ、強大になり、さまざまな非国家行為体が急速に成長をとげ、経済のグローバル化と社会の情報化の影響力の拡大によって、各国と国際の舞台における重要な力となっている。
世界の流れはすさまじい勢いで、それに従えば栄え、それに逆らえば滅びる。国際社会は国際関係の中での古い「ゼロサムゲーム」を廃棄し、危ない冷戦、ホットウォーの思考を捨て、何度も人びとを対抗と戦乱に巻き込んだ過去のやり方を捨て去るべきである。運命共同体という新しい視点に立って、互いに助け合い、協力・ウィンウィンの新しい理念をもって、多元的文明が交流し、参考にし合うという新しい局面を切り開き、人類の共通利益と共通価値の新しい意味を探り、各国が協力して多様化する挑戦に対応し、包容力のある成長をめざす新しい道を探し求めなければならない。平和を求め、戦争に訴えず、発展を求め、足踏みせず、対話を求め、対抗せず、理解を求め、わだかまりを解くことは、大勢の赴くところであり、人心の向かうところである。中国が平和的発展を歩むことこそ、この時代のもとでの必然的選択である。
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