中国国務院新聞弁公室は6日、『中国の平和発展』白書を発表した。白書は、平和的な発展は中国が近代化と「富民強国(国民を豊かにし国力を強める)」を実現し、世界の文明的な発展に大きく貢献する戦略的選択であると強調。また、中国は確固として平和的発展の道を歩み、いかなる国とも軍備を争う気はなく、いかなる国に対しても軍事的脅威を与えないとした。
◇中国は軍備を競う気はない
中国は広い領土と海を有し、陸地の境界は2万2000キロ、大陸の海岸線は1万8000キロに及び、複雑で多様な伝統的・非伝統的な安全面の試練に直面し、分裂勢力やテロなどの脅威を受けている。国防の近代化を進めることは、中国の国家安全に必要なことで、中国の平和的発展の実現に必要な保障でもある。中国軍近代化の根本的な目的は、国の主権、安全、領土保全を守り、国家発展の利益を保障することである。
中国は「人侵さずんば、われ侵さず」という考えを堅持し、国際的な争いや問題の平和的な解決に努める。中国は国際的な軍事交流を強化し、国際・地域の安全協力を推進し、いかなる形式のテロリズムにも反対する。
中国は、核兵器を率先して使用せず、核兵器を持たない国・地域に核兵器の使用や威嚇を行わないことを正式に承諾した唯一の国である。中国は国連の30項目の平和維持活動に約2万1000人を派遣し、派遣人数の最も多い国連安全保障理事会の常任理事国である。中国は反テロ、拡散防止に関する国際協力に積極的に参与し、深刻な自然災害を受けた国に人道援助の提供や救援隊の派遣を行い、海賊行為を取り締まるためにアデン湾やソマリア海域に海軍の護衛編隊を派遣した。
中国は国際社会の一員として、未来の世界に期待を抱いており、平和的発展に合った国際関係の理念と対外方針を貫く。
◇新しい安全観を提唱
中国は相互信頼、相互利益、平等、協力の新安全観を提唱し、総合的で共通、連携した安全の実現を目指す。
総合的な安全に力を入れる。新しい歴史的条件のもとで、伝統的・非伝統的な安全の脅威が入り混じり、安全の内包は多くの分野に広がっている。国際社会は総合的な安全観を強化し、総合的な施策、問題の根本からの解決を進め、直面する様々な安全面の試練に共同で対処する必要がある。
共通の安全を追求。経済のグローバル化が進む中で、各国は苦楽を共にする運命にあり、国際社会は共通の安全意識を強め、自国の安全だけでなく、他国の安全も尊重すべきである。冷戦思想と同盟対抗をなくし、多国間協力を通して共通の安全を守り、衝突と紛争を協力して防ぐ必要がある。国連の世界平和・安全の維持における役割を十分に発揮し、公平で効果的な共通の安全保障メカニズムを構築する。
連携した安全を促進。戦争と対抗は「暴力には暴力で対抗する」という悪循環しかもたらさないが、対話と交渉は争いを解決する唯一の効果的で確かな方法である。協力で平和をはかり、協力で安全を維持し、協力で争いをなくし、協力で調和をとり、武力の使用や武力での威嚇に反対する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年9月6日
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