須賀 努
ウルムチのホテルにて
8月に北京経由で新疆ウイグル自治区と青海省を初めて訪問した。いずれも自然が残り、夏でもそれほど暑くなく、絶好の観光シーズンで、旅を満喫した。しかしホテルはどこも満室。ウルムチで泊まったホテルでは初日はインターネットが使える部屋に入ったものの、ネットケーブルが部屋に備えられていなかった。夜遅かったため対応してくれたのは警備のおばさん。事情を話すと「ネットのことはよく分からないが、探してきてあげる」と言い、5分後にケーブルを持ってきてくれた。「どこにもなかったから事務所で使ったケーブルをPCから抜いてきた」そうだ。
綺麗なホテルだがネット環境はない 博楽市
翌日部屋を移ったが、何と今度は部屋にネット環境が無かった。いくらシルクロード、西域と言っても今時それなりのホテルでネット環境が無いとは。これではおばさんのケーブルも役に立たない。外国人だけでなく、中国人も文句を言うだろう。やって来たマネージャーに事情を話すと「それならフロントにPCを持ってきて」と言い、フロントで自分たちが使っていたPCのケーブル線を引き抜くと「これを使って」と渡してきた。夜中に人影のない1階ロビーを背にして、フロントの前に座ってではあったがお蔭でようやくメールチェックが出来た。
何だかとんでもない話をしているようだが、実は私はこれらの対応に少なからず感動していた。私が留学した80年代、仕事で奔走した2000年前後の中国では、まだまだインフラが整っていなかったが、皆が知恵を出し合って問題を解決することがままあった。これを私は「中国的解決」と呼び、時には笑い、時には泣いた懐かしい経験がある。今回のケースはまさにそれで、ハード面では遅れているが、人的サービス面では結果として合格なのである。
ウルムチ空港内 ネットカフェ
尚ネットと言えば、今回ウルムチ、西寧、西安の3つの空港でインターネットの接続出来る場所を探した。そして3つ共に空港内のコーヒーショップで無線が繋がると言われたが、ここのコーヒーが1杯50元はする。結局はネットカフェなのであるが、それにしても値段が高過ぎる。空港はもう少し配慮が必要ではないだろうか。特に国際線が飛ぶ所では。
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