第四に、今回の格下げにより世界の米ドル債権国は損害を被ることになる。米国債は投資家にとって金融の嵐の中の最後の安全港とみなされてきたが、現在の信用度は英国、ドイツ、フランス、カナダなどの国債を下回る。米国債がこれまでのような国際的地位を失えば、米ドルは大幅に下落し、中国、日本、ロシアといった米国債を大量に保有する国は重大な損失を被ることになる。
このため、米国の政治指導者が大局から出発し、世界を信服させるような財政赤字削減プランと経済振興計画を早急にうち出すとともに、効果的な措置を取って米国と米国債の国際的信用を維持し、米国にある世界各国の資産の安全性を着実に保障することを願う。
世界の米国債保有国は、それぞれの立場のバランスを取りながら行動しなくてはならない。米国債の安全性、収益の保障、損失補填については、米国に正当な要求をつきつけるべきだ。主要20カ国・地域(G20)首脳会議(G20サミット)を前倒しで行い、目下の欧州の債務危機問題と米国債の問題が引き起こした金融市場の混乱を解決し、米ドルの信用危機などの問題を解決することを提起する。さまざまな立場のバランスを取り、一致した行動を取って、より大きな危機の発生を回避することを提起する。(編集KS)
「人民網日本語版」2011年8月8日 |