長年、日本の歴代政府は中国に対する研究と考察を非常に重視してきた。日本は中国のまだだいぶ先をいっている。我々がすべきことは、彼らが中国を研究するように日本を研究し、彼らの長所を見つけ、彼らの長所を我々の智恵と原動力にすることだ。香港紙・大公報が伝えた。
中国の国内総生産(GDP)が日本を抜いたことで、国内の多くの人、特に若者は中国はどの分野でも日本を抜いたものと思っている。とりわけ日本は大地震と大津波に見舞われ、原発事故による深刻な打撃を受け、もはや日本の時代は終わったと単純に考えている。
これは当然大きく間違った判断だ。正確に言うと、我々はまだ日本をよく理解していない。逆に日本は我々のことを手に取るように理解している。最近中国国内で放送されたテレビドラマを見てもわかるように、我々の眼中の日本は依然として中国を侵略した日本で、それだと戦時下の日本しか知ることができない。その後60年余り、日本が何をしたのか、我々はほとんど知らない。
日本政府は中国に精通した人材の育成を重視してきた。この50年間、北京駐在の日本人記者は香港、台湾、上海などに派遣され、全面的に中国を理解している。彼らは中国各地で仕事・生活をすることで、中国の政治、経済、文化・地理に通じた中国通になり、中には見識の深い中国問題の専門家になり、帰国後、政府の研究機関に勤める人もいる。
日本問題に詳しい王錦思氏は著書「日本行、中国更行」の中で、現実を直視し、この我々の隣国を深く理解しなければならないと訴えている。「日本は小さいが、鏡のようなものだ。多くの人はこの鏡を黒く塗ったり、見ないようにするが、結果日本も自分もはっきり見えなくなっている。中国に対する日本人の理解は多く、深く、細かいが、中国人の日本に対する理解は少なく、浅く、粗い。こうした国民の相互理解のアンバランスは貿易収支のアンバランスよりも憂慮される」。
日本在住の作家、毛丹青氏は、「中国熱(中国ブーム)」の日本に比べて中国は「日本冷(日本離れ)」にあると指摘。「我々はあまり相手を知ろうとしない。そのうち、自らを知る能力も失ってしまうかもしれない。これには警戒する必要がある」と警鐘を鳴らす。
我々が日本に目を向けると、日本政府が発表した2010年の名目GDPは中国を4044億ドル下回り、中国に抜かれて世界第3位となったが、一人当たりのGDPは依然として中国の10倍以上であることに気づく。与謝野馨経済財政担当相はこれについて、「順位を争っているわけではない」とし、「我々は順位を争って経済活動をやっているわけではなく、国民生活をより豊かにするためにやっている」と語った。
我々を研究し尽し、我々から多くの知恵を吸収したこの隣国を我々が軽視する理由は一つもない。我々がするべきことは、永遠につらい記憶の中に留まるのではなく、彼らが我々を研究するように日本を研究し、彼らの長所を見つけ、彼らの長所を我々の知恵と原動力にすることだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年8月15日 |