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米国債務危機  
格付け機関にあるべき理想とは

 

――国際格付けシステムでその役割を発揮している中、何か難しい状況に直面したことは。その苦境をどう乗り越えたのでしょう。

新しい格付け機関が出現する、あるいは新しい機関がシステム改革を主導あるいは推進する、それが大きな流れとなっています。中国ばかりでなく、全世界も必要としているのです。弊社はこの特別の時にそうした役柄を演じることになりました。

中国は国際的な格付けをめぐる発言権を勝ち取る国家的な好機に直面し、世界は現有の非合理的なシステムを改革し、新たなシステムを構築する好機に直面していると言えるでしょう。こうした時代に、弊社の役割は極めて重要です。システム改革を進めるにしても、中国が発言権の面でより大きな声を発するにしても、それを実現する専門の機関が必要です。この専門の機関は独立した、国際社会に認められたものでなければなりません。弊社は目下のところそれを備えてはいますが、さらに急速かつ飛躍的な発展を実現することが必要です。

飛躍的に発展するには、国内各方面がサポートし、認めてくれることが不可欠です。例えば、弊社が公表する国の主権格付けの結果は先ず、中国政府に認めてもらわなければなりません。政府は投資、あるいは国際金融取引に当たっては最大限度、弊社の格付け情報を採用する必要があります。中国が最大の債権国として、弊社の格付け結果を使用し、認めてくれれば、弊社の国際的な影響力は大幅に向上し、市場開拓に向けて良好な基礎を築くこともできます。

また、私たちが生存し、発展する環境も改善されなければなりません。今の中国の格付けシステムは米国をモデルにしたものです。米国のシステムはすでに自国の金融システムの崩壊を招いており、中国でも同様の結果がもたらされる必至であり、それは時間の問題に過ぎません。こうした環境の中、制約を受けて、健全に成長するのが非常に難しくなるのは確かです。例えば、私たちの理念と基準を貫き通すと同時に、私たちが払わなければならない代価は、私たちの市場のシェアが低下することです。激しさを増す競争で、営業収入は大幅に減少するでしょう。急速に台頭して、国際格付けをめぐる発言権を取得する、あるいは国際格付けシステム改革を推進する中で自らの役割を演じるための経済力はまだありません。

さらに、私たちの信用格付けに関する新たしい考え方、新しい理論や新しい方法は、系統的かつ効果的に普及できるものです。この分野での成果と智恵を全人類の財産にしなければなりませんが、そうしたい気持ちはあるけれども、実力がまだ伴っていません。

――いま言われたように、貴社は中国政府の支援を受けていませんが、政府にさらに認めてもらう、さらに支援してもらう必要はあるのでしょうか。ただ、ある外国メディアはむしろ貴社の中立的な立場に懐疑的です。どう反論しますか。

外国メディアのこの種の報道は純粋に西側メディアの慣性的な思考であり、中国を差別視するものだと思っています。西側の格付け機関はその国の代弁者です。弊社は純粋な民間企業であり、株所有の関係では、政府のバックもなく、国有資本の要素もありません。私たちの株主は資本市場の運営に参与しておらず、私たち経営グループも株式あるいは債券市場の運営に参与していません。独立性は3つの面から十分保証されています。もしこうした独立性がなければ、現在のような成果を上げることはできなかったでしょう。

私たちの大きな目標は、国際的に知名度があり、国際的に認められた格付け機関にすることです。それには自らの独立性を保持することが必要であり、これは疑う余地のないことです。 

「北京週報日本語版」2011年8月9日

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