米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、日本は景気低迷を続け、3度目の「失われた10年」を経験する可能性があり、それにより日本政府の債務負担を減らすための努力は複雑化するとの見方を示した。
ムーディーズのシニアバイスプレジデント、トーマス・バーン氏は、「巨額の政府の債務負担を減らすため、日本は経済成長率を現在の2倍にする必要がある。日本は3度目の『失われた10年』に陥る可能性が高い」と話す。
日本の経済成長は、20年前のバブル崩壊以降ずっと低迷状態にあり、価格の変化に応じた調整がなされず、経済規模は1991年頃と同じ水準となっている。
トーマス・バーン氏によると、国際通貨基金(IMF)の予想では今後5年の日本の経済成長率は1.2%で先進国全体の予想成長率の半分にすぎず、中期的な成長見通しが悲観的なことから、財政見通しはより複雑化している。
また、「菅直人首相が長期的な財政再建計画を打ち出せていないことが、信用面に影響している。日本は債務増加を抑止するかもしれない枠組みに財政を組み込んでいない」と指摘する。
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