東日本大震災から3カ月。新中日友好21世紀委員会の中国側座長を務める唐家セン氏が共同通信のインタビューに応じた。共同通信の伝える主なやりとりは次の通り。
----東日本大震災後の日本政府、日本国民の対応をどう見るか。
今回日本は度重なる災害に見舞われた。地震は巨大な津波を引き起こし、福島原発の深刻な放射能漏れ事故を招いた。三重の災害と言えよう。中国も地震多発国であり、「わが身のことのように感じている」というのが確かな気持ちだ。この機会を借りて、共同通信を通じて日本の無数の被災者に心からのお見舞いを伝えたい。
日本政府、社会各界、特に深刻な被害を受けた地域の人々は、みな苦しい中がんばったことと思う。深刻な被害を受けた岩手県、福島県、宮城県の人々の状況を注視して、彼らが冷静に秩序を保ち、粘り強く団結して助け合う日本国民の優れた資質を示したことが印象に残った。私は、こうした貴重な精神は敬服に値すると思う。
----中国からも直ちに人道支援があった。
地震のニュースに中南海は驚き、中国の指導者は事態を非常に重視した。胡錦濤国家主席が自ら日本大使館を訪れ、犠牲者に哀悼の意を表したが、これは中日関係の歴史においても初めてのことだ。先日、温家宝総理も中日韓首脳会談のための訪日を機会に、深刻な被害を受けた宮城県と福島県を訪問して被災者を見舞うことを自ら決定した。これは温総理が自発的に提案したことだ。温総理の今回の訪日は「温かさを届ける旅」だった。日本の被災者に温かさと自信、そして困難に打ち勝つ勇気を届けたのだ。
われわれは四川大地震の際に日本の政府や社会各界の人々が貴い支援をしてくれたことをいつまでも忘れない。中国には「困難な時にこそ真心を知る」という古い言葉がある。中日両国民は甚大な自然災害を前に、互いに助け合い、共に困難を乗り越えるべきだ。
----日本側に何を望むか。
われわれはできる限りのことをし、引き続き日本側に必要な支援を提供する考えだ。同時に原発事故問題において、(隣国が最も心配しているのは)放射性物質の排出と拡散だ。日本側が隣国の心配と人々の気持ちを理解し、中国を始めとする隣国の関係当局と、これまで以上に緊密な意思疎通と協力を続け、速やかに情報を伝えることを希望する。
----今後中日両国は災害関連の協力をどう進めていくか。
双方は救援活動の前期に良好な協力を行った。今後も災害関連の協力を力強く進めることが可能だ。第1に災害予測分野で共同研究を行い、情報交換やノウハウの共有を強化する。第2に緊急救援分野で協力し、緊急事態が発生した際は迅速に連携して対応し、被害を最小限に食い止めるべく努力する。今回の災害を見ると日本は隣国、特に中国との間にスムーズな緊急救援体制を構築する必要が大いにある。今回は中国側からの救援物資が東京に空輸された後も、速やかに被災地に届けられないという事態が起きた。したがって今後は物資や人道支援をスムーズに被災地へ輸送できるような仕組みを築くべきだ。
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