世界企業上位500社に名を連ねる日本の神戸製鋼グループの在中国総合販売会社および成都神鋼建機融資租賃有限公司の関係者によると、神戸製鋼は現在、本部機関の一部を四川省の成都市に移転する準備を進めており、西部投資を強化する考えだという。現在、同公司の四川省での掘削機械の年間生産台数は2万台に迫り、同公司は最近、3500万ドルの増資申請を提出したばかりだ。増資が行われれば、四川省での投資額は6500万ドルに達し、年間生産能力が5千台増加することになる。中新社が伝えた。
成都経済技術開発区の同公司の工場のほど近くで、神戸製鋼グループの別の子会社である成都神鋼起重機有限公司の工場の建設工事が急ピッチで進められており、来年にも操業をスタートする予定という。
三菱東京UFJ銀行成都支店の石川文一支店長によると、同行は中国に8つの支店を設立しており、昨年3月に設立された成都支店は西部地域で唯一の営業ネットワーク拠点だ。成都イトーヨーカドー有限公司の三枝富博董事長(会長、総経理(社長)を兼任)が公の場で明らかにしたところによると、今後は成都の金牛区にヨーカドー第7号店を設立し、二級都市および近郊の県にコマを進める計画だという。
中国にある日系企業は東日本大震災の後、成都への投資を増やし、中国西部における布陣を急速に強化している。このことは企業がこれまでに成都で急速な発展を遂げてきたことと無関係ではない。ヨーカドーを例に取ると、2011年第1四半期(1-3月)に市内の双楠路にある双楠店の売上高は6億元に上り、世界の店舗の中でトップに立った。
中国での布陣の強化を加速させる優良日系企業は、今後さらなる急速な発展を遂げる可能性がある。全日本空輸株式会社(全日空)は6月20日に東京-成都間の直行便を正式に開通する予定で、両都市が5時間で結ばれることになる。新路線の開通により、ヨーカドー、トヨタ、三菱重工といった有名日本企業が経営の重点とする成都に、極めて大きな促進作用がもたらされることは確実だ。
成都を中核エリアとする「天府新区」計画がこのほど上級機関に承認された。計画に基づき、成都を中核エリアとする都市群が、現代型製造業を中心とし、ハイエンドサービス産業が集積し、産業にもビジネスにも居住にも適した国際的な現代型の新都市エリアが形成され、「産業の成都」を新たに生み出すために力が注がれる見込みだ。
計画が承認され、大量の資金が投入されることは、中国の西部投資の模範的都市である成都が、その投資の可能性を一層広げ、投資の機会を一層増やしたことを意味する。大地震の試練に直面した日本の企業家にとって、中国西部における布陣を早急に強化する理由が一つ増えたことは間違いない。
2010年末現在、世界企業上位500社のうち、日系企業は29社が成都に進出し、その所属産業は電子情報、小売、自動車などさまざまだ。同500社のうち成都進出を果たした企業は189社に上る。
日本の地震の後、一部の産業は業務転換を迫られた。中国西部の都市である成都は、日系企業の最良の産業移転先になると考えられる。(編集KS)
「人民網日本語版」2011年5月31日 |