香港誌「大公報」23日付掲載記事によると、東日本大震災後わずか2カ月という「特殊な時期」に執り行われた温家宝総理の訪日には、大きな意義があったと記している。今回の大地震による津波の被害や原発事故対応に関する中国政府の支援表明は、生活再建を目指す住民に希望の光を灯すこととなった。
記事内容の要約を以下に記す:
この度の温家宝総理の訪日は中日両国から高い関心を呼んだ。各メディアはこぞって「震災後わずか2カ月という特殊な時期」に、あえて訪日したことを高く評価している。
温家宝総理のこの度の訪日に、東京で開催された第4回中日韓首脳会談への出席だけでなく、地震による津波で大きな被害を受けた地域への慰問がスケジュールに組み込まれていたことは大きな意味を持っている。5月21日、宮城県仙台空港に政府専用機で到着した温総理は、地震による津波で壊滅的な被害を受けた名取市閖上地区を視察し、避難所への慰問を行なっている。この度、温総理が、震災と原発事故の被害を受けている福島県の避難所を訪問したのは、中国側の要請によるものであったことは注視すべきことである。
記者会見において温家宝総理は「福島県の避難所の慰問は私自らが決めたことです。なぜなら福島県は、地震、津波、原発事故と、3重の被害を受けた地域だからです。この地域を私が訪問し、被災者を慰問することで、この度の大災害で多くを失い、今も辛く悲しい思いを抱える日本国民に対する中国国民の同情の意を表明したいと思いました」と述べている。
この度の大震災で、中国政府は日本への援助を多方面から行なっている。また、支援物資を被災地に直接輸送したことは中日間の友好関係をより促進させることになった。県庁職員の中には、温総理の訪日にいたく感激し、この度の訪問を「今の難局を打開する」きっかけを与えてくれた、と評している。福島県の新聞社「福島民報」の前社長で、何度も訪中経験のある高橋氏は、「この度の温総理の来日により、日本、特に福島の被災地に対する、中国政府の関心や奨励の意を充分に感じることが出来た。これは大きな意義のある来日であった」と述べている。
中日間の関係をより強固に
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