在中国日本国大使館と日本貿易振興機構(JETRO)は21日に北京で、東日本大地震の影響に関する説明会を行った。同大使館経済部の山崎和之公使はあいさつの中で、中国の支援に謝意を表した。
説明会では、独立行政法人・原子力安全基盤機構(JNES)の佐藤達夫理事が、福島第一原子力発電所の現在の情況、事故による影響、日本と国際社会との協力の情況について説明した。佐藤理事によると、日本は現在、(1)原子炉の冷却(2)放射性物質の海洋、土壌、大気中への拡散の抑制(3)日本各地における厳格で集中的な放射性物質のモニタリング(4)食品、飲料水、原発の現場作業員、工業製品、港湾、空港の安全確保、の4点に基づいて同原発がもたらした重大な試練に対処している。
説明会後の記者会見では環境保護に関する質問が相次いだ。山崎公使は、同発電所の放射性物質が含まれた汚染水の排出の進展状況や排出に先立っての中国への通告の有無に関する質問に対し、日本政府は海洋に汚染水を排出した後に中国への通告を行うと述べた上で、周辺諸国が日本の取る措置に注目していることが理解できるので、今後は速やかに関連情況を通報するようにしたいと述べた。
また山崎公使は、海水への汚染水の排出は国際法に違反しているのではないかとの質問に対し、これはやむを得ず採用する措置であり、国際法の規定の範囲内の措置でもあると述べた。
さきにあるメディアが、日本の有名ジャーナリストが日本は秘密裏に核兵器を研究製造していると述べたと伝えた。これについて佐藤理事は、自分は原子力の安全を司る機構の人間であり、こうした懐疑論は成り立たないと述べた。山崎公使は、日本政府は世界で核兵器の廃絶を主張しており、核兵器を製造することは絶対にあり得ないと述べた。
同原発の事故によるマイナス影響をめぐり、日本は国際社会に経済的賠償を行うかどうかとの質問に対し、山崎公使は、日本国内では現在、経済賠償問題について話し合いが進められており、今後は国際法を踏まえて関連の措置を取ると述べた。
同原発の事故が日本のこれからの原子力エネルギー政策に与える影響について、日本側は当面の急務は事故の処理であり、電力供給の回復だと述べ、今後どのような原子力エネルギー政策を採るかについては時間をかけて話し合う必要があるとした。
また日本側は、中日貿易は両国の国際貿易の中で重要な位置を占めており、このたびの地震や津波は両国貿易に短期的な影響を与えるとみられるが、日本の工業生産の復興は急速で、長期的にみれば大きな影響を与えることはないとの見方を示した。(編集KS)
「人民網日本語版」2011年4月22日
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