中国日本商会は 2010年4月、中国の中央・地方政府との対話促進を目的とし、在中国日系企業が直面する課題をまとめた「中国経済と日本企業2010年白書」を初めて作成した。中国日本商会はこのほど、第2版となる「中国経済と日本企業2011年白書」(以下「白書」と省略)を発表した。
「白書」は、北京の長富宮飯店で18日午後1時に行われた発刊発表会で中国日本商会の鹿間千尋会長によって正式に発表された。
2010年の中日経済は、貿易が3000億ドル(日本側統計)を超え、日本企業の対中投資も単独国ベースで米国に次ぐ第2 位になり、全投資に占める中国のシェアも12.6%に拡大している。日本企業は成長性などから、中国市場を今後の事業展開先として最も有望視する国に位置付けている。その一方で、中国の経済発展や市場開放の進展に伴い、在中国日系企業が直面する問題は、その内容がより細かく複雑化する傾向にある。
中国日本商会は昨年に引き続き、「白書」を通じ、中国の投資環境の更なる改善に向けて中国の中央?地方政府と対話し、努力したい考えだ。「白書」は「共通課題・建議」、「各産業の現状・建議」および「各地域の現状・建議」の3部に分かれ、全26章、48の建議項目から成る。
昨年発表された2010年版の白書と比べると、今年の第2版には次の特徴が見られる。まず、第1部の「共通課・建議」に、昨年なかった物流の現状と問題点が盛り込まれた。また、第2部の「各産業の現状・建議」の鉱業・エネルギーの章に、レアアースに関する内容が加わった。さらに各建議には、各分野に共通する内容が多く見られる。
発刊発表会に出席した中国日本商会の鹿間千尋会長、中国日本商会の副会長を務める日本貿易振興機構・北京代表処の酒匂崇示所長がインタビューに応じた。
東日本大震災の影響で、化粧品をはじめ、食品、薬品などの中国市場で人気のあった日本製品に供給不足の問題が生じ、また、放射性物質への懸念から日本製品の販売が冷え込んでいる。「中国日本商会は一刻も早く消費者の信頼を取り戻すため、どのような対策を考えているか」という問いに対し、鹿間会長は以下のように語った。
この点について、日本側は政府をはじめとし、全国が全力をあげて真剣に対応している。歴史的な問題から、日本以上に放射線問題に敏感な国は恐らくないのではないか。そのため、商品の品質検査を厳しく行い、一定の標準に満たない商品は輸入どころか、市場に出回ることもない。また、個人的な意見を述べると、日本側は原発事故に関する情報の公開にさらに力を入れることになると思う。丹羽宇一郎在中国日本大使と午前中に会った際、原発事故処理の進展や放射能の影響などに関する状況を説明するため、段階ごとに説明会を行うことを考慮していると話していた。冷静な対応に全力を注ぐことで、一刻も早く影響を最小限に抑えられると信じている。
また、鹿間会長と酒匂副会長は、日本国内での産業移転、産業チェーンの再建と補足、大震災で在中国日本企業の生産活動が受けた影響など、「白書」に関する一連のホットトピックについて記者の質問に答えた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年4月20日
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