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▼通常の緊急対応能力は90点:15%の戦闘力を失った状況でも高速機動力は高い
日本は自然災害の多い国でるため、自衛隊は災害などさまざまな突発的な事態に度々対応するうちに熟練度が増し、無意識のうちに対応能力が大幅に向上することになった。
迅速な反応。1時間での到着は、「可能かどうか」ではなく、命令だ。自衛隊の反応は迅速で、配備も、持ち場につくのもテキパキとし、1995年の阪神大震災の時の教訓が役立っている。
自衛隊は徹底的に前非を改めようと中央即応集団を発足、各連隊に24時間態勢のチームをつくり、緊急事態に対応する体制と陸海空3自衛隊の「統合運営体制」を構築し、1時間で救援現場に到着するという作戦命令を自らに課した。
高度な機動力。今回の救援活動で世界の軍隊の中でも最高水準を誇る自衛隊の高度な機動力が発揮された。
自衛隊の救援活動の追跡すると、4時間以内で海陸空の3経路から全救援部隊を出動させたことからも海陸空3自衛隊の機動力はいずれも非常に高いことがみてとれる。さらに、兵力の出動率も高い。36時間以内で10万人の部隊が被災地に集まった。日本の総兵力23万人であるから、兵力の約半数が出動したことになる。米軍でさえこれほどまでの出動率に達したことはない。第三に、自衛隊の出動率が高いのは自らの津波による被害状況が深刻だったのと、複雑な電磁環境を考慮したもので尋常ではない。
実際、今回の津波で自衛隊は大きな被害を受け、少なくとも15%の戦闘力を失ったことが統計でわかっている。自衛隊自身も震災後の復興が必要な状況にあって、半数近くの兵力を割いたのだ。こうした機動力は戦場で高い戦闘力をみせるだろう。
また、自衛隊と米軍は今回初めて大規模な合同救援活動を展開している。日本の東北方面隊司令部に「統合任務部隊」が編成され、駐日米軍との調整を担うことになった。こうして3自衛隊連合、日米連合で救援活動にあたっている。
▼非通常戦対応能力は50点
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