シンガポール紙「聯合早報」は29日、「日本は復興の十字路に立たされている」と題した文章を発表した。その一部を紹介する。
日本で起きた「3・11」大地震は、その規模にしても、津波による被害、原発事故にしても、日本史に前例のないもので、このような一連の大災害を経験した人はいない。菅直人首相は今回の事態を、「戦後日本が迎えている最大の危機」としているが、それはちっとも誇張ではなく、うまい歴史的位置づけだといえる。
この半月余りの観察を通して、日本の今回の災害は震災によって人の命や財産の損失、経済活動の停滞、国土の破壊などだけでなく、心理的な衝撃も正しく評価しなければならないことに気づく。
▼「不死鳥」の精神がまだ存在しているか
歴史の長い流れや、経済学的観点からみると、破壊されれば建設をし、巨額投資があれば生産量も増える。生産過剰に頭を抱える現在の日本にとって、今回の災害はその穴埋めとなり、デフレによる停滞の治療につながる可能性がある。
ただ、今回の災害は新しい形態の災害であり、日本は質的に変化している時期にある。日本にかつてあった「不死鳥」の精神が今でも残っているか?さらに重要なのは、今回の「東北と関東の大地震」で、これまでの自然災害が放射線という大災害にまで転じ、従来の天災の性質をも変えてしまったことだ。
放射線は二次災害だが、日本と其の周辺地域にかなり深刻かつ深遠な影響をもたらすことになる。すでに日本が単独で対応できる範囲と規模を超えており、より複雑で手を焼く問題となっている。日本が今回の件で再起不能になるとは断言できないが、日本の「不死鳥」の精神が、明治維新や戦後の復興のような光彩を放つと盲信することはできないだろう。
地震、津波、台風などの自然災害に日本人はうまく対応し、知恵を出して共存してきたため、これまで災害を「世界最後の日」と思ったことはなかった。
▼放射線が災害を拡大
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