日本のトヨタ自動車はさきに日本、米国、英国、ドイツなどの市場で相次いでリコールを実施し、対象車両は約170万台に及んだが、中国大陸部市場ではリコールを実施していない。そこで消費者の中には、トヨタは大陸部市場に差別的な待遇を取っているのではないか、とか、中国の消費者の生命の安全や合法的な権利を無視しているのではないか、といった疑問を抱く人も出ている。
トヨタ汽車(中国)投資有限公司によると、今回大陸部市場でリコールを実施しなかったのは、大陸部市場に投入した製品にはリコール車と同じ欠陥が存在するエンジンあるいは部品を使用していないからだという。
国家質量監督検験検疫総局(質検総局)の李元平報道官によると、質検総局はこのことを重要視し、すでに一連の対応を行っている。まず同公司の責任者と正式に面会し、状況把握に努めるとともに、同公司に対し、今回のリコールについて説明を行い、中国の消費者の生命の安全と合法的な権利を確保するよう要求した。これと同時に、国が指定する自動車輸出の国境検験検疫局を設置し、リコール対象車種の輸入情況のチェックに努めている。各検験検疫機関には輸入トヨタ車にリコールに関連した欠陥がないかどうか重点的にチェックし、管轄区域内にあるトヨタ車の輸入販売店を調査し、消費者からの苦情やその処理状況を把握するよう求めた。また同公司には、個人輸入などによってトヨタの権限委譲を受けずに販売されるリコール対象車種についても、無料で検査・修理サービスを提供するよう求めた。
質検総局は18日にも同公司の責任者と面会し、同公司が行った、大陸部市場に投入した製品にはリコール車と同じ欠陥が存在するエンジン・部品を使用していないとの説明について、完全な説明を行うとともに、詳細な技術的説明を行うよう求めた。
李報道官によると、質検総局は今後、消費者からの苦情などを踏まえて、焦点を絞って関連の調査活動を進める方針だという。(編集KS)
「人民網日本語版」2011年2月25日 |