資料写真:丹羽大使
中日関係は昨年、波瀾を重ねた。中日関係の最前線に「駐屯して守る」立場にある日本の丹羽宇一郎駐中国大使は中日関係をどう捉え、どのように取り組んでいるのか。19日午後、在中国日本大使館本館2階のオフィスで、丹羽大使にインタビューした。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
インタビュー内容は政治、経済、軍事交流から国民感情の修復まで、アジア太平洋情勢から中日米の3カ国関係までと多岐にわたった。丹羽大使はインタビュー前に各質問に対して入念な準備をしており、1時間半にわたるインタビュー中、終始温和で、質問には必ず答え、落着きの中にもユーモアを失わなかった。
72歳を目前にした丹羽大使は自身の干支が卯年であることに触れ「今年が人生最後の卯年になるかも知れない」と述べた。だが消極的・悲観的になったことはなく、常に積極的・楽観的に前を向き、未来に目を向けているとして、「中日関係強化のために余生を捧げたい」と述べた。
■「困難な時期であるほど、心の中の理想に火がつく」
----2010年7月31日に大使が着任されてから、すでに5カ月余りが経過した。着任以来、重点的に進めてこられたのはどの分野の取り組みか。
私は常に日中両国を数千年の交流の歴史を持つ隣国と捉え、両国民間に堅固な関係を築かねばならないと堅く信じている。これは大使としての私の最大の願いでもある。着任以来、日中関係は確かにいくつかの波瀾や困難を経験した。だが私の理想と信念に変化はなく、困難な時期であればあるほど、心の中の理想に火がつく。
私の働きがどのような効果をもたらしたのかについては、後世の人の評価を待ちたい。とにかく私は日中関係強化に全力で取り組む。
----大使は以前「愛国親華」の大使になりたいとおっしゃった。「愛国親華」という言葉は、どのように理解されているか。
「愛国」は、どの国の公民にとっても当然の事だと思う。日中関係については、周恩来首相が述べたように「和すれば共に利し、闘えば共に傷つく」だ。友好的に付き合うことが日中両国にとって唯一の道だ。国民間の友好関係を実現することこそ、私の述べた「親華」の本意だ。
他者は自分を映す鏡だ。日本の角度から見ると、重要なのは「愛国親華」であり、これを中国の角度から見たのが「愛国親日」だ。もし日本が「愛国嫌華」で、中国も「愛国嫌日」だったら、両国の数千年の交流は深まりようがない。国と国との関係も人と人との関係と同様で、誠実に接し、信頼を重視することが極めて重要だ。もし日本が「愛国嫌華」の姿勢なら、日本は中国の鏡なので、中国も「愛国嫌日」の姿勢になるだろう。もし日本が「愛国親華」なら、中国も鏡の中の自分を見て「愛国親日」になるだろう。双方共に「親華」「親日」の姿勢をとれば、両国関係は自ずと改善される。
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