第四に、社会面では、中米は文化、教育、科学技術などの分野で広範かつ密接な交流を行ってきたが、二つの社会間の理解は依然として限られている。昨年の上海万博期間中に多くの中国人がアメリカ館に詰めかけ、またさまざまな中国文化フェスティバルが米国で人気を博していることから見て、どちらの国民にも相手国をもっと理解したいというニーズがある。中米は互いに対する理解不足のために、両国関係のさらなる発展が妨げられるような事態になってはならない。
19日、ホワイトハウスで中米両国の企業家と面会する胡錦濤主席とオバマ米大統領最後に、昨年の実際活動から見ても、中米関係は濃霧を晴らし、再び互いに協調する軌道に立ち戻る必要があった。そこで、2011年の年初に、中国の国家主席が米国訪問の途についた。中国は、今回の訪問を通じて、中米間の一部問題についての懸念を解消し、共通認識を確認し、新しい国際情勢下における両国関係のより安定的かつ健全な進展を保障したいと考えたのである。
胡主席の訪問は米国からきわめて重視され、米国側は最高級の礼遇で胡主席を迎えた。さらに重要なことに、胡主席は米国の政界、商業界、知識界、文化界、媒体、一般市民と広く接触し、打ち解けた交流を行った。こうした交流を通じて、中国の指導者から米国国民と世界の人々に向けて中国の平和的発展を説明し、中国の積極的な国際事務参画と中米協力強化の決意の固さを示し、中国が米国をさらに理解したいと考え、米国にももっと中国を理解してほしいという心からの願いを伝えた。
今回の訪米で理解の促進が高い位置に置かれたのは偶然ではない。これは、中米関係は物質面の協力だけでは不十分であることを中国が意識していることの表れである。中米関係は単純な物質利益を越えて、発展の経験を共有しより高い共通認識を求める方向へ発展する必要がある。
冷戦終了以来20年余りの中米の交流を振り返れば、中米間には確かに協力すれば 互いにメリットがあり、争えば互いが傷つくという共通認識があることが分かるはずだ。今回の訪米も含めて、米国は多くの場合、強大で、繁栄し、成功した、国際社会でより大きな役割を果たす中国を歓迎すると重ねて言明している。これは間違いなく非常に重要な進展である。しかしその一方で、確かに中米間にもいわゆる構造性矛盾が存在している。これは国際体系における二大大国にとってほとんど避けがたい現象である。今回の「共同声明」で述べられている通り、中米関係には複雑な面がある。平和維持と共同発展などについて、中米がさらに高いレベルで踏み込んだ共通認識に至らなければ、物質面や具体的な分野での協力には停滞やひいては中断のリスクが生じる可能性もある。
|