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評論  
日本の長い「パクリの歴史」中国はどう見習う?

注目すべきは、日本は「真似」することを「パクリ」とは言っていないことだ。彼らは「リバース・エンジニアリング」という、いかにも正当性のありそうな専門用語を使ったのである。1950年代から、日本はアメリカのクリエイティブ能力の後ろにぴったりとくっついて、パソコンや通信機器以外にも様々な製品を製造してきた。日本のエンジニアは本に書いてある文字からだけでなく、実物からも多くを学んでいた。競争相手の製品を購入し、分解して、各パーツの隅々まで研究し、分析した。そして、そこから製造方法や動作原理、設計方法などを学んだのである。実際の製品に止まらず、その分析対象は製品を製造する機械にまで及んだ。こうした解析技術を日本では「リバース・エンジニアリング」と呼ぶ。裏を返せば、それは正に「パクリ」である。

「パクリ」の中で成長した「ものづくり大国」

長い間、真似をすることで成長してきたが、ひとつ言えるのは、日本の企業はただ単に「パクリ」をやっている訳ではないということである。真似る仮定で、品質や機能を上げていくことに力を入れており、言ってみれば、「パクリ」からイノベーションしていったのである。以前、日本の専門家は「アメリカ製品のアイディアを取り入れて、それをベースに更に高品質の製品を大量生産する。これこそ、日本の経済成長のエネルギーである」と豪語していた。その言葉を象徴するような出来事がある。それは第2次世界大戦終結後、米軍が残して行ったチョコレートからヒントを得た日本人は、刃を折って何度でも繰り返し使えるカッターを生み出したのだ。世界初のコンピューターもデジタルカメラもアメリカで開発された。日本はそれを何度も真似して、そこから学び取り、多くの実用的な技術の神髄を掴み取った。まずはデジカメ業界が発展し、コンピューターも後から追いついている。今や、世界最大のデジカメ生産地は日本である。

日本人は「真似」と「パクリ」をするだけでなく、積極的に「イノベーション」も行なっていることを忘れてはいけない。例えば、1885年4月18日、日本では早くも、現在の「特許法」の元となる「専売特許条例」を公布されている。この日を記念して、1955年から毎年の4月18日は、日本では「発明の日」とされている。この日になると、日本全国のいたるところで、発明をテーマとした展覧会が行なわれたり、発明家への表彰が行なわれたりする。メディアでも大々的に宣伝を行ない、特集番組を放送するなど国民の発想力や独創力を刺激している。また、1960年からは科学技術の発展を盛り上げるため、毎年の4月16~22日は「科学技術週間」とされている。日本の地方政府、教育委員会、発明協会などの公共機関も、学生のために発明展覧会や発明大会を積極的に開催している。他にも、発明や「ものづくり」を応援する団体が各地に存在するため、ロボットコンテストや模型飛行機大会などが年中開催されている。発明好きで発想豊かな子供たちは、この恵まれた環境の中でどんどん成長していくのだ。そして、日本には天皇賞、総理大臣賞、内閣大臣賞、発明協会賞、全国発明賞など発明を促進するような賞が実にたくさん存在する。個人に贈られるものもあれば、グループや団体に贈られるものもある。

「真似からイノベーション」避けられない歴史の方程式

「パクリ」から「イノベーション」の過程で、日本は新世代の発想力の育成に力を注いでおり、子どもの頃からどんどん創造力を持てるように後押ししてきた。大人気の長寿番組「仮装大賞」こそ、子どもたちの発想力や創造力を応援するものだ。日本全国、子どもから大人まで個人やチームで参加したり、家族や友達と参加したり、実に多くの人が自分たちの自信作を携えて番組にやってくるのだ。採点もその場で行われる、このユーモアあり笑いありの番組は、親子に特に人気があり、毎年高い視聴率を獲得している。

大阪府立大学に勤めていた中国学の教授は「真似する事は、近代化、工業化、都市化の過程で、どの国も必ず通る路である。時代が移り変わり、日本や欧米諸国は、ものによっては中国が完全に真似しても何も言わず、お金も取らない。例えば、政治制度など、日本は喜んで中国にそのまま、丸写しさせている。それこそ完璧な『パクリ』である。しかし、あるものになると、今度は真似させることを絶対許さないのだ。見た目がちょっと似ているくらいでも見逃さない。なぜなら、それにはお金が関わってくるからである」と話してくれた。日本は研究開発に巨額のお金をつぎ込んでいるため、完成した製品には市場で長生きして、沢山の利益をもたらして欲しいと願うのも当然である。しかし、発展の過程を考えてみれば、あとから他の国が真似をするのは避けられないことである。中国のIT業界で使われている「軟件漢化(ソフトウェア中国化)」という面白いものがある。これは、外国語のソフトウェアを分析して、機能を少し付け加えながら中国語に翻訳するソフトである。つまりは、真似とイノベーションである。また教授は「パクリ問題を解決するには、ゲームにルールを少し増やせばいい。みんな仲良くゲームで遊んで、ともに成長していける事が大事だ」と述べた。

「中国網日本語版(チャイナネット)」  2011年1月21日

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