江沢民中国国家主席とクリントン米大統領は六月二十七日午前人民大会堂で会談を行った。双方は中米関係および重要な国際および地域の問題について深く立ち入って意見を交わし、広い分野で重要な共通認識に達した。会談は積極的で、建設的で、実り豊かなものであった。
江沢民主席はまず、クリントン大統領が世紀の変わり目である重要な時点に中国を公式訪問したことを熱烈に歓迎する意を表明し、次のように述べた。
中米両国の国家元首が相互訪問を実現したことは両国人民の共通の願いを代表し、両国関係が新しい発展段階に入ったことを示している。事実が示しているように、中米関係の改善と発展は歴史的必然であり、いかなる力も食い止められないものである。
クリントン大統領は次のように述べた。
今回は私の初めての公式訪中であり、アメリカ大統領の九年ぶりの訪中でもある。今回の訪中はあなたのアメリカに対する非常に成功した訪問の八カ月の後に行われたものである。これは、われわれ両国が建設的戦略パートナーシップ確立に取り組む面で遂げた進展を示し、アメリカの圧倒的多数の人が中米関係の改善と発展を歓迎していることをも示している。自分と江沢民主席の率直で、開放的な話し合いと自分の中国に対する訪問が双方の協力の分野の拡大、食い違いの縮小にプラスとなるばかりでなく、アメリカ国民によりよく中国を理解させ、中国国民によりよくアメリカを理解させ、これによって中米両国の友好パートナー関係をいっそう発展させるのに役立つことを望んでいる。
江沢民主席は次のように述べた。
平和と発展は当面の時代の主題である。この時代は希望にも満ちているとともに、挑戦にも満ちている。経済のグローバル化の過程は国際的経済貿易協力の発展を速めている。科学技術の進歩、特に情報技術の革命は人類の進歩と社会の発展に新しい原動力をもたらしている。しかし、国際情勢の中の不安定、不確定要素は依然として存在している。不公正、不合理な古い国際政治、経済秩序はまだ根本から改められていない。人種、宗教、領土などの紛争で引き起こされた地域的衝突、国際的犯罪、麻薬の密輸、テロリズムと環境の悪化などの問題はまだ解決されておらず、金融危機は一部の国に経済、政治的激動をもたらし、南アジアの核軍備競争はこの地域の情勢を急に緊張化させた。これらの問題が時をすかさず、適切に処理されなければ、次の世紀の人類の前途は暗い陰に覆われることになろう。
新しい歴史的条件の下で、中米両国は世界とアジア·太平洋地域の平和と発展にかかわる重要な問題で幅広い共通の利益があり、逃れることのできない共同の責任を背負っている。われわれは世界における重要な影響力を持つ二つの大国、国連安保理常任理事国として、いずれも世界が平和と安全を保つことを目にすることを望み、人々の関心を集める問題を解決する面でいずれも自らの努力を払っている。われわれは大量破壊兵器拡散を防ぐ面で共通の日標がある。われわれはいずれも地域の安定を保つことに取り組んでおり、南アジアの核軍備競争を食い止め、朝鮮半島の平和と安定を擁護するなどの分野で効果的な協力を進めている。
中米はそれぞれ世界最大の発展途上国と先進国として、二国間経済貿易協力を積極的に繰り広げ、世界の金融の安定と経済の発展の促進のためにともに努力している。環境を保全し、国際犯罪および麻薬密輸、国際テロ活動を取り締まるなどの面でのわれわれの協力は絶えず強化されている。
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