十七年前の二月、ニクソン元大統領の歴史的意義のある中国訪問によって、中米関係の正常化が実現された。今年二月二十五日、新しく当選したジョージ·ブッシュ大統領が中国を事務訪問した。鄧小平氏は、今回の訪問が公式訪問よりも重要だと述べた。
ニクソンとブッシュでは受ける感じがかなり違う。訪中をひかえたニクソンにとって、中国は不案内で、神秘的土地であった。だが、ブッシュ大統領にとっては、北京は知りつくした都市で第二の故郷のようなものだ。ブッシュ大統領は北京で古い友人を訪れた。これらの友人は、一九七四年から七五年まで同大統領がアメリカ駐中国連絡事務所所長を担当していた時につくられたものである。このことから、ブッシュ大統領は望郷の念を抱いて、北京を訪問したようだ。
ブッシュ大統領の前任者たちは中国の庶民の間に友人がほとんどいないが、ブッシュ大統領には多くの友人がいる。氏が北京市崇文門教会で会った人びともそうであった。十数年前、ブッシュ氏夫妻は時々この粗末な教会に来て礼拝し、夫妻の令嬢はここで洗礼を受けた。ブッシュ大統領夫妻は二月二十五日の夜北京に到着したその翌朝(日曜日)早く、この教会に来て、六百人の一般の中国人信者とともに、朝の祈りをささげた。同大統領はこうした方法で前任者との違いを人びとに見せたのであろう。これを両国友好関係のしるしと見ることもできる。この関係は、すでに指導者と指導者との間にとどまらず、指導者と人民、人民と人民のレベルにまで広がっている。