鄧主任、台湾問題を語る
鄧小平中国共産党中央顧問委主任は一時間四十分におよぶレーガン大統領との会見で、台湾問題が中米関係のカギであることを強調して、つぎのように述べた。
▽アメリカの指導者が中国人民の民族感情に真剣に考慮を払うよう望みたい。
▽中国政府は台湾問題を解決するために最大の努力を行なった。それは、一国の内部に二つの制度の存在を認めたことである。
▽中国大陸と台湾の統一を妨げるようなことをしないよう、アメリカに望みたい。台湾海峡をはさむ両者はしだいに接触をふやし、交渉を通じて平和統一を達成することができる。
▽統一後も、台湾の現行制度は変わらないし、台湾人民の利益も損なわれない。台湾はアメリカ、日本との現在の関係を保持してよい。
▽この方法は可能だと信じている。台湾問題が解決できれば、中米間のしこりも同時に解けるだろう。
趙紫陽総理はレーガン大統領との会談の際、台湾向け兵器売却問題について、「大幅な減少」を米側に求め、「単に減らす方向に持っていくというだけでなく、大幅に減らすこと、ならびに最終的に停止する」ことを、中国は望んでいると述べた。
これに対して、レーガン大統領は米中間の三コミュニケを順守するとの約束をあらためて表明するとともに、アメリカには中国の内政問題に干渉する意志はないと述べ、台湾問題の平和的解決を望むとつけ加えた。
趙総理はまた、アメリカにはいまだに“米台関係”の格上げ、もしくは台湾の“独立”などを主張する者がいるが、こうした動きは警戒する必要がある、と述べた。
趙総理はさらに、中国人民の感情を傷つけるようなこと、あるいは中米関係の進展を妨げるようなことが、とくにレーガン大統領の訪中後に発生しないよう望んでいる、と述べた。
経済協力について
趙総理は最近の経済·技術協力の進展に歓迎の意を表しながらも、いっそうの発展に障害があることを指摘し、アメリカの法律には中国を社会主義国として差別する条項がいくつかあること、技術移転にも多くの制限があることに触れ、技術移転の対中国緩和政策の実質的意義をさらに大きくするための措置を講じるよう、アメリカ側に求めた。
国際問題
趙総理とレーガン大統領は二十七日午前の一回目の会談で、当面の重大な国際問題について、友好的かつ真剣に意見を交換した。
カンボジア問題 趙総理、レーガン大統領ともに、政治解決に賛意を表した。