中国人民外交学会と日本の世界平和研究所が共同で主催する第4回中日関係シンポジウムが11日、北京で開かれた。前国務委員、第5回中日友好21世紀委員会の中国側座長、中国人民外交学会高級顧問の唐家セン氏は、開幕式で「中日の戦略的互恵関係を確固不動として推進」をテーマに主旨演説を行った。その中で、中日関係の近年の発展のプロセスを振り返り、両国関係の基礎はまだ強固なものではなく、依然として弱点があると次の3点を指摘した。
(1)政治の相互信頼不足:その原因は、歴史と地政学的な要素だけでなく、現実的な利益の摩擦によるものでもあり、深層的には相手の発展に対する認識も影響している。中国の発展は日本とアジアの発展にとってなかなかないチャンスだとの認識を日本の多くの有識者が示す一方、一部の人や少数のメディアはいまだ冷戦の考え方から抜け出せず、「中国脅威論」を書きたて、イデオロギーでもって線を引くよう吹聴し、同盟国と共同で中国に対して「規範」「均衡」「牽制」「囲い込み」を行っている。日本側が最近発表した新防衛計画の大綱には、中国の軍事力は透明度を欠いており、地域や国際社会の「懸念事項」となっているとの主張が見られた。さらに日本側は新たな戦略配置を進めており、中国の民衆や世論の強い関心事となっている。
(2)国民感情の冷え込み。日本の最新の民間調査で、8割近くの日本人が中国に対して親近感を持っていないとし、1978年以来最低だったことがわかった。中国国内でも、日本に対する好感度は落ち込んでいる。こうした現状は非常に心配で、深く反省しなければならない。その背景には、釣魚島事件という直接の影響があるものの、根本的にはやはり両国の政治と安全保障における相互の信頼不足が社会に反映されていると見ることができる。
(3)領土・海洋問題で頻繁に衝突。中国と日本の間には東中国海における釣魚島の主権、海洋の境界画定、資源開発など様々な揉め事があり、問題が相互に絡み合い、非常に複雑で敏感になっている。これが両国関係の安定した発展を制約する要素にもなっている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年1月11日 |