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評論  
中国観の調整を迫られる日本

アジアフォーラム・ジャパンの茶谷展行主任研究員による「安倍政権の外交フォーメーションと戦略」は、これについて最良の解説を行なっている。「日本は1868年の明治維新以来、アジアでは自国と拮抗する国を見いだせずにいた。近年来の中国の急激な発展は日本にとって脅威だ。このため中国に対する日本の民族主義の台頭も極めて自然な流れと言えよう」??。

これについてシンガポール紙「聯合早報」は「日本の対中外交には致命的な誤りが2つある。1つは、戦略的位置づけの誤りだ。日本は常に中国を潜在的な敵またはライバルと位置づけている。優位に立つことに慣れていた日本は、常に外患を懸念している。もう1つは、自国を非常に高く見て、中国を尊重しないことだ。これは相手の立場になって考えようとせず、中国政府の政策や中国人のメンタリティーをしっかりと理解できないことに表れている」と指摘する。

明治維新以来日本は常に東アジア、さらにはアジアの先導者であったため、近年来中国が経済成長を遂げて国際的な地位や影響力も高まっていることに、戦後奇跡的な発展を遂げた日本人は非常に複雑な感情を覚えている。日本人は自らの未来に対して不安を覚え、自信を失い、自らの戦略的空間が狭まり、北東アジア地域の主導権が脅かされていると感じている。このため懸念や焦慮、そして危機感を覚えている。その裏返しとして、民族主義の感情的な反応が度々生じ、中国に対して「ノー」と言う人もいる。今世紀初め、当時の小泉首相は中国人民の感情を顧みず、靖国神社を繰り返し参拝した。昨年日本当局は釣魚問題で無鉄砲な行動に出て、中国の漁船と漁民を違法に拘束した。これらはいずれも、この大きな背景の下で起きた典型的な感情的反応だ。

こうした現象は、日本の対中外交の位置づけに関する問題が未解決なことに由来する。日本にとって中国が一体戦略的パートナーなのか、それとも戦略上警戒すべきライバルなのかという問題が未解決なのだ。今日の中国にどう対応するかという面において、日本は現在まさに長く困難な、国家の位置づけと民族心理の調整過程にある。。(文:王泰平・元在大阪総領事、中日韓経済発展協会会長。解放日報掲載)

「人民網日本語版」2011年1月10日

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