北京宇宙飛行管制センターによると、21日午後2時50分、月を周回している「嫦娥2号」が初めて月食に遭遇したが、同センターが事前の計画に従い整然と人工衛星を制御し、約3時間後には無事に影の領域から抜け出した。
同センターの麻永平副主任によると、月食は嫦娥2号にとって3つのリスクがあったという。
まず、充電池だけで長時間稼動すること。地球が太陽光を完全に遮断し、太陽エネルギーを得られないため、人工衛星は充電池によって長時間電力を供給しなければならない。次に、長時間「極寒」にさらされる。月食の間、人工衛星は影の領域に入るため、人工衛星に搭載されている装置は零下200度の低温に耐えなければならない。第3に、地球の自転、月食発生時刻の影響により、月食の間、地上からの追跡・制御がきかなくなる。
こうした課題に対し、同センターは事前に綿密な計画を立て、11月30日以降人工衛星に対する位置調整を行ってきた。20日以上にわたる調整により、21日の月食時には人工衛星はベストな位置にあり、影の領域を最短時間で抜け出した。
衛星の電力低下に関しては、搭載しているCCDカメラなど必要のない装置の電源を切って対応した。また月食に入る前、衛星の姿勢を調整して太陽電池パドルを太陽の方向に向け、充電池を満タンにしておき、月食が終了して太陽が見えるとすぐに充電できるようにしておいた。(編集KA)
「人民網日本語版」2010年12月23日
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