杭州到着後、西湖を船で遊覧した。西湖は三方を山に囲まれ、たおやかな美しい景勝地として国内外から多くの観光客をひきつけ、年間3000万人が訪れている。

広々とした西湖から杭州市内を望む
西湖を訪ねるのはこれが三度目である。湖の遊覧はもちろんのこと、三潭印月などの名所も巡ったことがあり、正直なところ多くを期待してはいなかった。しかし、今回の視察で目にした西湖はこれまでとはすっかり趣を異にしていた。
今回重点的に回ったのは「新西湖」と呼ばれるエリアだ。新西湖とは、西湖に建設された堤防の一つ、楊公堤の西側を新たに開発したエリアのことを指す。違法建築や景観のよくない建築を撤去し、埋め立てなどで陸地化されていた部分を元に戻した。
遊覧船が楊公堤を過ぎると、西湖はその姿を一変させる。ゆったりとさざなみの立っていた湖面が一転して鏡のように静まり、湖岸には覆いかぶさるように木々が葉を茂らせる。まるで奥深い森の中の沼のような風情だ。

深い森の奥の湖沼のような新西湖
杭州市は「新西湖」の整備だけでなく、水質管理にも心を砕いている。浚渫工事で水深は1.65メートルから2.5メートルになり、銭塘江からの水の引き込みなどにより、透明度が50センチから73センチまで向上した。また、専門の係員が絶えず水草や泥、ゴミの除去にあたっており、遊覧中も作業員の姿を多く見かけた。西湖という有名観光資源にあぐらをかかず、新たな観光資源開発とメンテナンスのために努力し続ける姿勢に、現状に満足せず常により良いものを目指そうとする精神が感じられた。 |